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「ひとり箱根駅伝Ver.復路」ひとりで6〜10区(109.6キロ)を走ってみる。

2016.01.02

《公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会・上村哲也さんのラン旅ブログ》vol.2

正月の風物詩、箱根駅伝

箱根駅伝である。元日はのんびりと過ごし、年明けの実感も伴った1月2日の朝にそれはやってくる。テレビ番組をザッピングしていると思わずチャンネルが止まる。3日は前日の結果に自分の応援校への期待を加えて見守る。それが箱根駅伝。約90年前に京都・三条大橋から東京・上野の23区間、3日にわたって行われた「東海道駅伝徒歩競争」が原型になり、現在は21チームが出場して東京・大手町の読売新聞社前から箱根・芦ノ湖の合計217.1キロを往復10区間、2日間で競われている。個人的にも毎年両日ともカメラマンさんと一緒にさらに次の年のテレビ雑誌等への広報用写真を撮影していた、仕事としても思い出深いスポーツイベントである。

【往路】東京・大手町→鶴見→戸塚→平塚→小田原→箱根・芦ノ湖(107.5キロ)
【復路】箱根・芦ノ湖→小田原→平塚→戸塚→鶴見→東京・大手町(109.6キロ)

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2013年応援時の1枚、10区形成蒲田駅近く。

 

ひとり箱根駅伝とは?

一昨年のことである。そんな箱根駅伝をテレビで観ていて、ふと自分も走ってみたいと思った。往復を走るのが筋であろうが200キロ超は難しい。かと言って1区間ずつ走るのは20キロ前後なので物足りない。そこで復路109.6キロ。箱根・芦ノ湖から東京・大手町までの6区から10区を走ることにした。24時間以内にタスキを繋がず一人で走る、名付けて「ひとり箱根駅伝ver.復路」。

箱根の山上からスタートするので路面が凍って滑る1〜2月は回避し、3月の暖かい日を見計らって決行した。会社の同僚や友人に声をかけた所、3名が集まるという予想外の展開に。日本のランも変態化が進んでいる。

 

109.6キロの記録

当日は始発で小田原駅に集合し、路線バスで芦ノ湖へと向かう。午前9時に箱根駅伝ミュージアムと隣接する復路スタート地点から走り始めた。その後、完走まで約20時間かかるとは露知らず。

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箱根駅伝往路スタート地点

箱根からスタートするとずっと800メートル超の下りが続く。普段と同じ走り方だと膝に来る、それを悟った時には既にあとの祭り。20キロ地点の小田原を過ぎて平坦な道で自分の走りに違和感があるのがわかる。50キロ地点の藤沢で膝の痛みが始まり、70キロ地点の横浜手前で走る脚は止まり、気持ちのみでゴールを目指し歩き続ける。

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箱根山の激坂

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藤沢から見た富士山

一体何故こんなことやっているんだろうと自問自答を繰り返す午前3時の品川。歩く人のない国道1号線と車のヘッドライト。飲み明かして朝を迎え、店を出て朝日を拝むのに似た寂寥感が漂う。一緒に走った友人3名とは平塚でばらけて2名が横浜と京急蒲田でリタイヤし、1名が午前3時に完走したという報が入る。あと10キロが遠い。増上寺の階段に腰掛けて1分寝て睡魔を退けてゴールを目指す。

東京・大手町読売新聞社前のゴールに着いたのは午前4時55分。箱根を出て19時間55分。早稲田大学の生協で売っていたタスキをゴールの銅像に繋いでチャレンジを終えた。後に残ったのはタクシーの来ない明け方の道と、2ブロック行けばタクシーが捕まる道があるのに数十メートルが歩けない抜け殻のような足だった。

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ゴール、大手町にある箱根駅伝の像

今年は旧中仙道も走りたいが、きっとまた箱根駅伝を観て、箱根駅伝のまだやっていない往路、もしくは往復のラン旅もやりたくなるに違いないと思う年明けである。

 

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《プロフィール》

上村哲也 うえむら・てつや

公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会マーケティング・コミュニケーション担当

ドイツ生まれ、オーストラリア育ち。マーケティングプロデューサーとして日本テレビ宣伝部、ニュージーランド航空、小田急電鉄等に勤務した後、現職。
箱根駅伝復路109.9キロを一人で走り繋ぐ「ひとり箱根駅伝」、JR山手線一周ランニング「ヤマソン」、海からの富士山頂登山「シートゥーサミット」、旧東海道を東京・日本橋から京都・三条大橋まで492キロを走る「街道ラン」等の「ラン旅」を主宰している。フルマラソンには出場せず気の向くままに“スポイル・ランナー”としてラーメン屋や居酒屋、所用先、仕事先を目的地にして走り続けている。2014年日本山岳耐久レース(通称ハセツネ)を20時間57分36秒で完走。

 

Tetsuya Uemura 

Rugby World Cup 2019 Organising Committee

Marketing Producer in Sports and Entertainment field. Prior to joining Rugby World Cup 2019 Organising Committee, held sports PR producer with Nippon Television, Air New Zealand and railway industry. Spending most of spare time for self-planned running trip. 492km run from Tokyo and Kyoto along Ancient-Tokaido was one of the best trip ever experienced. The toughest one so far was Sea to Summit to climb up Mt. Fuji from sea level reaching to the summit within 24 hours.

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