京の伝統を日常にまとう京竹籠のアクセサリー

2016.01.28

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日本の文化を育んだ竹

私たち日本人と竹の関わりの歴史は古く、縄文時代の遺跡から竹を素材とした製品が出土しています。日本人は古来より竹を有用な植物として利用してきたのです。

さらに身の回りを見渡すと、籠やざる、花器といった日用品のほかに、茶道や華道の道具、笛や尺八などの楽器、竹刀や弓などの武道具にも用いられ、竹が私たち日本人の芸術や文化にも古くから根差した素材であったことがわかります。

また竹そのものは勢いよく成長しますが、竹稈の中は空洞です。竹は実に神秘的な植物です。古代の人々は空洞を持つ不思議な形の竹に、一種の自然宗教的な信仰心を抱いたことでしょう。

そうした神秘性が『竹取物語』を生み、竹を使った祭事や神事を今日まで伝承させたのではないでしょうか。

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伝統を現代につなぐ職人

長年にわたり日本文化の中心地であった京都では、現代まで竹を用いた工芸品の高い技術と洗練されたデザインが受け継がれてきました。その京都で伝統的な竹加工を学び、独自に努力と研究を重ねてその技を磨いてきた一人の職人がいます。

それが、これからご紹介する竹工芸の職人である小倉智恵美さんなのです。小倉さんは高校卒業後、京都伝統工芸専門学校で竹工芸を専攻。2004年に卒業し、京都市中京区で仲間の若手職人と工房を始め、2011年の独立に伴い下京区の町家に工房を移し活動されています。

独立して3年。精度の高いものづくりが評判になり、京都や大阪の百貨店から催事の出展依頼が相次ぎ、海外向け通販サイトや小売店への卸、寺院や飲食店への販売など得意先が増えているそうです。

彼女のものづくりのスタイルは、竹割りから仕上がりまでを一貫して行う体制で機械を使わない丁寧な手仕事で行われます。

「大量生産、大量消費の時代への疑問もあり、自然から生み出す仕事がしたかった」「もっとお客さんの求める製品をつくりたい。そして竹に込めた優しい気持ちが届いたらうれしい」と小倉さんは語ります。

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現代を彩るアクセサリー

そんな小倉さんが最近取り組んでいるのは、京都に伝わる伝統的な竹の加工技術を用いたアクセサリーです。

「伝統工芸の技術を守り、伝えていくことは大切なことですが、作品が今の生活の中で求められているものでなければ、守る意味合いも薄れ、現実的に残していくことが困難になります。」

「そのようなことから、幅広い消費者層に訴えかけるようなものを」。このように小倉さんはアクセサリーに取り組んだきっかけを語っています。

現在発表されている作品はバングルとリングの2種類ですが、これらは、竹工芸の伝統的な編み模様や籐かがりが持つ美しさを生かしながらも、今のファッションに馴染むことを考えてデザインされており、カラーコーディネートに配慮し、今までの竹工芸になかった色みも染めの研究から実現したものです。

さらに竹細工の特徴である軽さやしなやかな造形は、装身具にとてもふさわしいものと言えるでしょう。またパッケージは和紙のかかった桐箱に、京くみひもをかけたものです。

細部にまで心遣いを感じる職人・小倉さんのアクセサリーは、繊細で美しいその竹編みの技術だけではなく、小倉さんのものづくりに対する懸命で美しい姿勢と想いが、身につけるものの心に安らぎを与えてくれることでしょう。

 

京竹籠 花こころ
価格:京竹籠のリング ー花こころー 5400円(税込)など要問い合わせ

■お問い合わせ
http://kyotakekago-hanakokoro.tumblr.com/

©京竹籠 花こころ ©コトモノミチ

 

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