くるみガラスでつくられたカフェランプ

2016.03.17

rd850_DSC_1012
土地に寄り添うものづくり

ガラス工房「橙」は長野県東御市海野宿にあります。海野宿は、寛永2年(1625年)に北国街道の宿駅としてはじまり、今でも格子窓や土壁など伝統的な家並みとその生活感が色濃く残っていることから、「日本の道百選」や「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

道の中央を用水が流れ、その両側に格子戸のはまった美しい家々が建ち並ぶ一角に、橙色のグラデーションの暖簾が掛かったお店が見えます。そのお店こそが、ガラス工房「橙」です。この工房を主宰するのは東御市の隣、丸子町で育った寺西将樹さんです。

寺西さんは地元の良さを取り入れたガラス作りをという想いから、長野県東御市の名産のくるみを使った「くるみガラス」に取り組みました。ガラスにくるみの殻の灰を混ぜることで、ほんのり優しい緑色に染まったガラスです。吹きガラスなので、工業製品にはない自然な歪みが生まれ、使う人の心を和ませてくれるのです。

陶器にかける釉薬の中には、その中に灰を混ぜる灰釉(かいゆう)という手法があります。釉薬はガラス質なので、ガラスに灰を混ぜるという手法も古くから行われて来ました。そこに、くるみの殻の灰を用いるというところに寺西さんの独創性がうかがえます。

 

次ページ《暮らしに寄り添う素朴な美しさ

Area