伝統の”螺鈿(らでん)”の技術が掌中で輝く「天野漆器」の螺鈿ガラス製品

2016.05.29

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加賀前田藩で高められ現在に受け継がれた技術「螺鈿(らでん)」

前田家が治めた「加賀藩」では漆器作りが盛んでした。旧加賀藩に属する現在の富山県高岡市では現在でも「高岡漆器」の生産で有名です。高岡漆器はそもそも1609年(慶長14年)、二代目加賀藩主・前田利長が高岡城を築いた際、武具をはじめ、たんすや膳などを作らせたのがその始まり、とされています。

高岡漆器は、中国から伝わった「堆朱(ついしゅ)」「堆黒(ついこく)」などの技法を取り入れ、さらに独自の技法を生み出しながらその技術力を高めていきます。漆器に使われる技法としては、多彩な色漆を使って立体感を出していく彫刻塗などが広く知られていますが、「螺鈿」もその中の一つです。

「螺鈿」は、貝殻の内側の虹色に輝く真珠層(炭酸カルシウムを主成分とする光沢物質)を切り出し、これを漆地にはめ込む装飾技法です。正倉院の収蔵物に見られるように螺鈿自体は天平の昔からありますが、螺鈿が施された高岡漆器の美は特筆すべきものです。

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酒器・グラスの底に花鳥風月が輝く風情

「天野漆器」では螺鈿漆器作りの高い技術を用いて「螺鈿ガラス製品」を制作しています。花鳥風月をモチーフに螺鈿が施された酒器・グラスは精緻で美しく、水を注ぐとその底で透明感あるモチーフがキラキラと虹色の輝きを放ちます。掌中ではかなくも綺麗に光る「桜」や「金桜」はそれを持つ人を魅了せずにはいられません。

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