カルチャー

特集:Burning 瀬戸内 – 岡山 – vol.1 「テオリ」

2015.10.15

竹の木目が織り成す唯一無二のプロダクト

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今、岡山が熱い注目を集めています。「デニムの聖地」として知られる倉敷児島は外国人にも人気のジーンズストリートに発展。元は問屋街だった街がリノベーションによってショップやカフェの建ち並ぶお洒落なエリアに変身。また、伝統工芸をモダンにアレンジした家具や雑貨など、新しい提案がたくさん誕生しているのです。

 

世界でも希有な竹の加工技術

株式会社テオリ(以下テオリ)は、古くより竹の産地として知られる倉敷市真備町で独自の竹加工技術を磨いてきた、この分野におけるパイオニアといえる企業です。竹は硬質で比重が高く、曲げ・圧縮強度に優れた素材でありながら、中が空洞になっているため他の木材と同じように製材してそのまま使うことができません。また、木目の方向によって強度が大きく異なるため、割れや反りに細心の注意を要する非常に手間のかかる素材。

しかし、テオリは独自の加工・接合技術を考案し、竹を集成材として様々なプロダクトに生まれ変わらせることに成功。剣道の竹刀に用いられるほど“しなり”に強く、高い密度がもたらす硬質さは凹みなどにも強いため、通常の木材では実現できない丈夫でしなやかな製品づくりが可能になりました。また、同社は竹独特の木目を活かしたデザインを考案しています。写真のカラーボウル「NUTS」は2006年にグッドデザイン賞を受賞。職人が一つひとつ手作業で磨き上げることで内側に生まれる美しい木目と絹のようになめらかな手触り、そして、表面にあしらった竹と相性の良い若葉色や墨色といった日本の伝統的な配色が際立った和テイストのボウルは、菓子受けやステーショナリーとしていまも人気を博す同社のアイコン的な製品となっています。このほかにも数々のプロダクトが国内外から評価を受けるのは、単に木の家具を竹に作りかえるのではなく、竹独自のディティールにこだわり続ける製品にテオリの哲学が宿っているからに他なりません。

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竹本来の機能面に芸術性を付加する

竹のしなりを活かした椅子は体圧を分散するといった機能性に優れており、耐久性も申し分ありません。また、自然由来の抗菌性や殺菌性も併せ持っています。考えてみれば、加工しづらいということを除けば、椅子はもちろんのこと、これほど家具全般に合理的に適した素材はないのかもしれません。しかし、永らく竹に向き合ってきたテオリでは、機能面を活かしたデザインを探求する中で、もう一歩踏み込んだ新しい「表現」に挑戦しています。写真の椅子の湾曲部に見られるような、竹を「三次元」に加工する技術は世界でも非常に稀有な工法。

背もたれの快適性を新たに構築しながら、新しい視覚的な美しさを竹で生み出すことに成功しました。機能美だけでない意図的な造形美。テオリの製品は、職人たちの手によって私たちに更に強く語りかける魅力を日々増しています。世の中に素晴らしい家具やプロダクトは溢れていますが、私たちの身近に「竹」のある生活、そんな選択肢がもっとあっても良いのではないでしょうか。

 

工場外観

 

http://www.teori.co.jp

 

取材・文/PLUG編集長 YAMAMON 

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