カルチャー

門外不出の技術を使ったアクセサリー「東京七宝」

2016.06.15

 

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奈良時代より続く日本の伝統技術

日本が世界に誇る伝統工芸の一つ「七宝焼」。この七宝焼とは、金や銀、銅といった金属製の下地にうわぐすりをのせ、高温で焼く金属工芸の技法の一つ。高温で焼成することでうわぐすりが溶け、金属の表面に美しいガラスの彩色が施されます。まるで宝石のような美しい輝きを放つことから、古来より王家の装飾などにも用いられてきました。

日本の七宝は奈良時代から続くもので、現在も日本各地に七宝焼の工房があります。今回紹介する「東京七宝」は、徳川幕府のお抱えとして数々の名作を残した平田彦四郎を祖とするもの。その卓越した技術は、明治時代まで門外不出でした。その匠の技術が生かされた東京七宝のアクセサリーは、宝石では出せない独特の味わいがあります。

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伝統技術が生み出す味わい深いアクセサリー

東京七宝と一般的な七宝の違いは、うわぐすりの盛り込み技量の違い、そしてデザインだけでなく、キリンス(酸洗い)という焼成で生じた酸化膜を取り除く作業にあります。この作業は七宝の美しさを左右する大切な工程で、東京七宝では特にこの作業を重要視しています。そのため、一般的な七宝よりもより美しく仕上がるのです。その美しさから「メタル七宝」とも呼ばれています。

東京七宝のアクセサリーはペンダントやピアス、指輪にブローチなどさまざまあり、どれもシックな輝きの独特の風合いが魅力。中でも色が透けて見える「プリカジュール」という技法で制作されたペンダントとピアスは非常に美しい色とデザインです。そのうちの一つである「カプリの思い出」は、洋画家の小林大彦さんがイタリアの「青の洞窟」をイメージしてデザインしたもので、鮮やかな青色が特徴。サファイアなどの宝石をあしらっているものだと勘違いしてしまうほどの美しさです。

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