特選“京都”&“和紙”:昭和初期に作られ、受け継がれてきた「手摺木版画はがき」

2016.08.05

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当時の雰囲気が現代でも変わらず楽しめる木版画はがき

「手摺木版画はがき」は摺師が1枚ずつ色ごとに摺重ね、葉書サイズの和紙に摺っている手造りの葉書です。「芸艸堂(うんそうどう)」では昭和初期より制作し始め、主にグリーティングカードとして海外へ輸出していたそう。その後、戦後のGHQ占領下、日本でのアメリカ軍の基地へ販売し、浮世絵、花、日本の風景など日本的な図柄が好まれ、その数は数百種類にものぼります。版木を保管している蔵には創業以来、木版が蓄積され続けており、その中には非常に貴重なものも。どれがいつ再版されたかは版木を包んでいる新聞紙の日付をみればわかるそうです。

葉書サイズとはいえ、木版摺りの工程は浮世絵などの大判と同じ。小さな面積に縮小した図柄を彫刻する彫師の技術は一流です。現在で同じ版木を最初から制作するにはコスト、手間などを考えると制作困難な精緻な作品たちです。

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当時の版木を使い、変わらぬ技術で摺り上げる

京の名所や祭り、行事がやわらかなタッチで再現されている「京の歳時記シリーズ」は、日本画家の木下章氏に原画を作成してもらったもの。制作した当時の版木を用い、現代の摺師が摺り上げています。

版木は桜材が使われていて、摩耗・反りが少なく、現在も問題なく使用できるそう。1枚ずつ、色ごとに木版顔料を使用して摺られるその発色は美しく、馬連で摺られることによって表面に絶妙な凹凸ができ、手触り・風合いも愉しむことができます。

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