釉薬はラバーで。3Dプリンタから生まれた器「so」

2016.08.18

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これまで価値を見出されなかった積層痕をデザインに落とし込む

3Dプリンタによるものづくりをテーマに、デザイナーの村越淳さんが選んだのは「器」でした。形はろくろで成型した陶器のような「so」ですが、だんだんと積層して形になっていく3Dプリンタの製造過程を思わせる表面の凸凹模様、コントラストが効いたカラーリングが異彩を放ちます。

テーマ通りに3Dプリンタで成型された器ですが、段々になった表面のテクスチャーはデザインによるもの。通常3Dプリンタでは、水平に立体が積層して形が再現されていきますが、それを一点から同心状に積層して広がったように、1mm幅の凹凸が付けられました。

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ただのイミテーションではなく、そのものづくりに意味を生む時

本来、3Dプリンタの積層痕は、できるだけなくして目立たないようにするのが鉄則。それを逆に強調したデザインは、3Dプリンタのものづくりにおいても「過程」に意味を持たせることに成功しています。もともと3Dプリンタは、立体をコピーするために生まれた機械。つまり、本物が別にあるイミテーションを作るものとしての認識がありますが、「so」はその常識をくつがえし、そのものに意味を持つプロダクトとなっているのです。

実はこの凹凸、データ設計する際にも1㎜ずつずらしながら面を重ねていくとても地道な作業によって作られているそう。デジタルとはいえ、手間をかけるものづくりの過程には妥協がありません。

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