カルチャー

“地上最高の星空”は日本人が作った。「MEGASTAR」の挑戦

2016.08.11

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「プラネタリウム男」大平貴之さんの挑戦は小学生のころから

『プラネタリウム男』(講談社現代新書)という著書のある大平貴之さんは、そのタイトルどおり「プラネタリウム製作」にまい進している世界的に有名な技術者です。

有限会社大平技研の代表者でもありますが、小学校高学年のときにすでに豆電球を利用した卓上プラネタリウムを製作、高校では物理部で「プラネタリウム2号機」を製作、大学時代にはアマチュアとしては前代未聞の個人による「レンズ投影式プラネタリウム『アストロライナー』」を完成(1991年・大学3年時)させました。
レンズ投影式プラネタリウムは、恒星原板(星の明るさ・位置を正確に再現するように、板に穴を開けたもの。穴の一つ一つが星になる)に強い光源を当て、これを専用のレンズを通してホールに投影します。

大平さんはその後もプラネタリウム製作に情熱を傾け、1998年には、150万個(完成形は170万個)もの星を投影可能な「MEGASTAR(メガスター)」を発表。このMEGASTARは世界中の天文ファンを驚愕させました。後継機種である「MEGASTAR-Ⅱ」が2003年に東急文化会館で公開されます。日本科学未来館の常設展示に「MEGASTAR-Ⅱ cosmos(コスモス)」が採用され、500万個以上の星を投影可能なこの装置は当時、ギネスワールドレコードの認定を受けました。

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挑戦は続く! 世界初の機能を搭載した「MEGASTAR-Ⅱ FUSION」

当時世界最高の星の数を投影できる「MEGASTAR-Ⅱ cosmos」でしたが、競合他社も星の数で挑んでくるようになったのです。2008年にリリースされた「SUPER MEGASTAR-Ⅱ」では投影可能な星の数はさらに増え、2,200万個の星が瞬く空を観客の上に現出させますが、大平さんはMEGASTARシリーズの次なる進化に別のベクトルを取り入れました。 

光学式とデジタルを融合させた「フュージョン型」の投影システムです。

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