カルチャー

現代の“粋な江戸土産”がここに!「新吉原」の快進撃

2016.09.05

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江戸文化の最先端、吉原の文化を現代に

江戸の昔、男女の色恋を数多く刻みながら、最先端の流行発信地として日本中の憧れを集めていた街——吉原。日本の「粋」を象徴する古典歌舞伎の名作「助六」などにも描かれる一方、近頃はすっかり影を潜めてしまったこの街にまつわる品々がいま、新たな注目を集めています。

その品々とは、“粋な江戸土産”を掲げるブランド「新吉原」のプロダクトたち。団扇(うちわ)に手拭い、絵札などの端正なものづくりと、色艶とユーモアを感じさせる絵柄との絶妙な組み合わせが話題を呼び、日本に焦点を当てたBEAMSの新店「BEAMS JAPAN」(新宿)や羽田空港内でも取り扱いがスタート。その勢いに乗って、今年6月には吉原からほど近い西浅草に初のショップをオープンしました。驚くべきは、これらをファッション誌出身の女性デザイナーがたった1人で手がけているという事実です。

写真(上)/「新吉原団扇」 浅草の老舗「文扇堂」による江戸一文字型のデザイン。 2160円(税込み)

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伝統の注染技法による本染め手ぬぐい。 「新吉原」1620円 

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手ぬぐい「いい湯だなぁ」1728円(税込み)

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桶栄×新吉原「小判桶」 宮内庁御用達の結桶師が手がけた、端正な逸品。 5万1840円(税込み)

吉原生まれの女性デザイナーが放つ、“艶と粋”の新境地

「曾祖父の代から吉原の住民で、私自身、生まれも育ちも吉原です。江戸時代の吉原遊郭の趣はとうになく、地元の風俗店街が寂れていく様子をずっと目の当たりにしてきましたし、かつて勤めていたファッション誌の編集部でも、話題に上るのは銀座や青山の話ばかり。地元のために何かできることはないかと考え、この街ならではのお土産を作ろうと考えたのです」

そう語るのは、「新吉原」のアイテムの企画から絵柄までを手がける岡野弥生さん。遊女のランク付けを表す「入山形(いりやまがた)」と乳房を組み合わせたロゴマークは、友人でもある、ファッションブランド「サスクワァッチファブリックス」のデザイナー横山大介さんに依頼したもの。「吉原が紡いできたエロティックな要素を否定したくない。この街の歴史を『恥だから』と隠すのではなく、逆に強みに変えて、粋なかたちで発信したいと思っています」

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