「瀬戸内国際芸術祭2016」秋会期開幕。西の4島の見どころは?

2016.10.16

10月8日に開幕した「瀬戸内国際芸術祭2016」の秋会期は、香川県西部の4島、本島、高見島、粟島、伊吹島が新たに会場に加わりました。各島の特徴と注目の新作をレポートします!

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フォトジェニックな大作揃いの本島に注目!

秋会期に新しく会場に加わった西の4島の中で、スケールの大きな作品が多く特に見応えがあるのが本島です。

本島港から入島すると五十嵐靖晃の作品『そらあみ<島巡り>』が出迎えてくれます。浜辺に赤・白・黒・黄・水色の5色の漁網が掲げられたこの作品は、漁師や島の人々と共に漁網を編むワークショップを繰り返して作られました。「作品を通して、島で暮らす人々のつながりや歴史を編んでいきたかった」と五十嵐さん。満潮や干潮、太陽の光の加減などで見え方が変わる美しい作品です。

一人の故人のために二つのお墓を作る両墓制に着目した、古郡弘の『産屋から、殯屋(もがりや)から』も注目の作品。産屋と殯屋の2作のうち、第一弾として殯屋のみが発表されました。鮮やかな赤色のてるてる坊主に導かれて藪の中へと足を踏み入れると、そこには大地のパワーをかき集めるように、渦巻きながら天へと向かうイメージの迫力満点の作品があります。ベンガラ色の貝殻が敷き詰められた通路の先には人の体内のような温かみのある空間が。古郡さんは「産屋と殯屋は対極のイメージ。ぐるぐるとまわりながら、ものが再生するエネルギーを表現しました」と語りました。

写真(上)古郡弘『産屋から、殯屋から』
写真(下)『そらあみ<島巡り>』を制作したアーティストの五十嵐靖晃rd850_(2)1362さらに、古くから瀬戸内海の水軍の本拠地だった本島の歴史を踏まえた作品も見られます。生と死、無と無限、混沌と秩序といった対照的な事柄をテーマに制作を行う眞壁陸二の新作『咸臨の家』は、江戸時代、日本で最初に太平洋横断を果たした軍艦「咸臨丸」の乗組員だった水夫・横井松太郎の生家を作品化しました。「限られた空間の中で無限を感じて欲しい」と作家が語るように、瞑想をするための教会のような荘厳な雰囲気に仕上がっています。

写真(下)眞壁陸二『咸臨の家』rd850_(3)1373

 

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