カルチャー

石川康晴氏が語る「現代アート×ビジネス」が導く未来-Vol.1

2016.10.28

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グループ売上高1千億円以上を誇るアパレル企業「ストライプインターナショナル」の代表取締役社長にして、日本屈指の現代アートコレクターでもある石川康晴氏。彼は何故、自ら財団を設立し、地元・岡山で現代アートの大型国際展を開催するなど、アートに並々ならぬ情熱を注ぐのでしょうか。
アートとビジネスの関係から、今後の日本社会への提言まで。NewsPicksとアマナによるコラボレーションイベント「アートと創造性、アートと経営:石川康晴社長に聞く」で語られた、言葉と展望についてレポートします。

日本にも企業家×現代アートの蜜月が到来?

rd850_T1A4312 12016年10月25日、東京・六本木。最先端のアート写真のギャラリー&ショップ「IMA CONCEPT STORE」に集まった聴衆を前に、石川氏は自ら総合プロデューサーを務め、ついに開幕を果たした国際的なアートイベントについて話し始めました。
その名も「岡山芸術交流 Okayama Art Summit 2016」。世界第一線のアーティストばかりを招聘し、現代アートの中でも概念的な表現を旨とするコンセプチュアルアートに特化した、異色の大型国際展。テーマに「開発(Development)」を掲げ、岡山の食や建築などの文化的資産と現代アートの創造性を掛け合わせるなど、創意工夫を凝らした試みの数々が語られていきます。
(詳細は当サイトの「岡山芸術交流 2016」記事こちらもご参照ください)

石川氏によるプレゼンテーションに続いて、本セミナーの開催元から2名のモデレーターが登場。
一人は、「東洋経済オンライン」編集長を経て、画期的なソーシャル経済ニュース共有サービス「NewsPicks」の編集長を務める佐々木紀彦氏。もう一人は、「エスクァイア」「GQ」などのライフスタイル誌の編集を経て、株式会社アマナによるアート写真メディア「IMA」のエディトリアル・ディレクターを務める太田睦子氏。
経済とアート、それぞれの“目利き”を聞き手に迎え、石川氏のビジョンを解き明かしていく趣向、果たしてその行方は…?

太田睦子:私は海外のアートイベントにも数多く足を運んでいるのですが、「岡山芸術交流 2016」には、想像以上の刺激を受けました。これだけの一流アーティストをよく集められたなと。内容的にも、かなりハードコアで驚きました。

石川康晴:僕自身も現代アートのコレクターなのですが、まずはその理由から。アパレル業界は実は斜陽産業で、閉鎖的な世界なのですが、現代アートのアーティストと交流をすることで、新しいビジネスのアイデアが浮かんでくる。ですから僕にとって現代アートは、ビジネスを推し進める上での潤滑油になっているんです。

佐々木紀彦:アメリカでも、かつては東海岸が中心でしたが、最近ではシリコンバレーでも現代アートに投資する風潮が盛り上がってきているようですね。SFMOMA(サンフランシスコ近代美術館)に驚くほどの寄付が集まったというニュースも、記憶に新しいところです。

太田:海外では、韓国や中国、香港も含めて、アート展のオープニングにはビジネスパーソンが非常に多く見受けられます。でも日本ではカルチャー関係の方ばかり。これは世界でも日本だけの風潮です。

石川:ようやく日本でも起業家がアートに関心を持ち始めたところですね。もしかしたらちょうど今年あたりが、起業家たちと現代アートの関係の“元年”と呼べるかもしれません。

 

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