カルチャー

プレミアムジャパン・アートプロジェクト<建築家シリーズ> 第4回:能作文徳、淳平兄弟の感性を育んだ地域性と伝統とは。

2016.11.15

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モノが経てきた時間や来歴に価値を見出す

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前回に続き、能作兄弟が子供時代を過ごした家を祖母の住まうゲストハウスに改修した「高岡のゲストハウス」の試みについてお伝えする。

新しくできた祖母の家では、古い家にあった雪見障子や欄間、襖などが再利用されている。既存の部屋を補強しつつ、水周りなどの設備を追加。梁や柱を見せることで木造家屋の簡素な美しさが際立っている。その空間に溶け込んだ欄間や障子は、家族の記憶と深く結びついている。素材の再利用は限られた資源の有効利用というだけではなく、それらのモノが経てきた時間や現在に至るまでの来歴に価値を見出すことでもある。能作淳平はそうした「モノ」の持つ力をストーリーという言葉で説明する。

「建物を構成するするモノは、いわば部品として捉えるのが一般的です。けれどもそれらのモノが秘めている時間やプロセスに注目すれば、モノにはそれぞれのストーリーがあることがわかります。建築をつくることは、そうしたストーリーを相互に関係づけることに似ていると思います」

写真(上) 能作淳平

 

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