カルチャー

話題のアートイベント「岡山芸術交流 2016」に現れた、 すごい屋台とは?

2016.11.01

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東大、京大、神戸大が作ったアートな屋台で、一流の味が供される

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通常はコインパーキングとして使われている敷地に3つの屋台を設置している。左から神戸大学槻橋修研究室、東京大学千葉学研究室、京都大学平田研究室の屋台。奥に見えるのは、国の重要文化財に指定されている岡山城西丸西手櫓。

岡山市内の旧城下町エリア、岡山城の西丸西手櫓近くで開催中の「ちいさな”テロワール”(micro terroire)」。これは国内の三大学の建築学部研究室が設計した屋台で地元岡山の人気店の料理を提供するイベントです。
岡山芸術交流」に合わせて企画されたこのプロジェクトには、東京大学大学院の千葉学研究室、京都大学大学院の平田晃久研究室、神戸大学大学院の槻橋修研究室が参加。

国内外の建築シーンで注目を集める3人の建築家と各研究室の学生たちが、屋台という極小の建築物を設計しました。岡山芸術交流 2016のテーマ「Development/開発」を踏まえた多彩なアイディアが、個性豊かな「食の空間」に結実しています。

(3)rd850_DSC_4641_ステンレスのパイプと風に揺れる布地が軽やかな表情を見せる東大・千葉研究室の屋台。利用者が寛ぐ場所とキッチンが分離した構成になっている。
5枚の布地は上からブルー系、ピンク系、ベージュとすべて色が異なる仕様。下から見上げると、それぞれが重なり合い、デリケートな色の変化を楽しむことができる。

東大・千葉学研究室の屋台のタイトルは「五枚のそら」。4本のステンレスパイプの柱のあいだに5枚の薄い布を張り、繊細な布のレイヤーを実現。その下に居心地のよいウッドデッキのスペースを設置しています。布地の作成はテキスタイルデザイナーの安東陽子が担当。鏡面仕上げのステンレスを貼ったキッチンボックスとともに洗練された構成が際立つ屋台です。

緑に覆われた小さな森のような屋台は、京大・平田晃久研究室の「原始の屋台」。内部がプランターになっている四角いボックスの梁を階段状に積み重ねることで、植物に覆われた大きな屋根を作り上げています。プランターに植えられた樹木は地元岡山のものです。完成した屋台は、一本の樹の下に人々が集い、樹の成長とともに広がる語らいの場をイメージしています。

神戸大・槻橋修研究室による「直方体の包(パオ)」は、モンゴルの遊牧民のテントから着想を得た屋台です。材料には岡山県産の杉材とデニム生地を使用。同じ長さの角材を組み合わせて立方体を作り、それをいくつも積み重ねてできたフレームにデニム生地を纏わせる。こうして出来がった空間は、ナチュラルな木と布で包まれた暖かみを感じさせます。

(4)rd850_DSC_9316_京大・平田研究室の屋台。プランターを兼ねたボックス型の梁を階段状に積み上げている。プランターの接合部には水抜きパイプがついていて、最上部のプランターに水を流すと、水が全体に行き渡る仕組みになっている。屋台の内部は樹々の緑に包まれた明るい空間になっている。

 

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