話題のアートイベント「岡山芸術交流 2016」に現れた、 すごい屋台とは?

2016.11.01

このプロジェクトは現代の祭りにふさわしい屋台を考える試み

(5)rd850_DSC_9358_(6)rd850_DSC_4752_同じ長さの角材でできたキューブを積みあげた神戸大・槻橋研究室の屋台。角材1本ごとにまで分解可能で、再び組み上げることもできる。デニム生地は使う場所によって色合いや仕上げを変えている。
内部は角材とデニム生地が織りなす不思議な空間。ミニマルな構成がリズムのように反復し、面白い効果を生んでいる。

構造の監修は法政大学専任講師の浜田英明が担当。3つの屋台はコンセプトも外観も個性的ですが、どれも少ない労力で建設・解体ができます。さらに分解後は幅2m長さ3m高さ2.2mのスペースに収納できるように設計されていて、イベント終了後の反復利用も可能です。

小さな仮設の屋台とはいえ、さまざまなアイディアを施工のやりやすさや構造の安全性、使う人の利便性まで含めて検討し、ひとつのかたちにまとめ上げていく作業はまさに建築の設計です。その意味でこれは日本一コンパクトな「レストラン建築」と言えるでしょう。

3つの屋台に出店するのは、和食の「鉄板かや乃」、イタリアンの「ステリーナ」、フレンチの「クロワサンス」など岡山で人気の有名店。計十数店のうちの3店が週替わりで名店の味を提供します。

「伝統的な祭りで屋台が並ぶ風景は、そのときその場所でのみ生まれる『人の集まり方』でした。その意味で祭りはコミュニティや街の活性化につながる大切な行事であり、「岡山芸術交流」はそのかたちや仕組みを変えた現代の祭りなのだと思います。今回の屋台プロジェクトは、3人の建築家が自由な発想を持つ学生たちと一緒に、現代の祭りにふさわしい屋台を考える試みとも言えます」

こう語るのはプロジェクト全体を監修した千葉学・東京大学教授。個性豊かな屋台と美味しい料理が人を集め、そこから新しいコミュニケーションの場が形作られていきます。このプロジェクトの先に見えるのは、そうした都市の楽しみ方なのです。

 

■お問い合わせ
「ちいさなテロワール」@岡山芸術交流
実施日:11月27日までの土曜・日曜
実施場所:ウェーブパーキング西手櫓(禁酒会館南側駐車場)
岡山市北区丸の内1丁目1−17
営業時間:11:00〜16:00

「岡山芸術交流 2016」
日時:10月9日(日)〜11月27日(日)
場所:岡山市内各所
http://www.okayamaartsummit.jp
電話:086-221-0033(岡山芸術交流実行委員会事務局)

 

取材・文/鈴木布美子、撮影/冨岡 誠

 

《関連記事はこちら》

 石川康晴氏が語る「現代アート×ビジネス」が導く未来-Vol.1

「岡山芸術交流 2016」開催レポート《前編》

地方発アートの“台風の目”誕生!「岡山芸術交流 2016」