カルチャー

『雨にゆれる女』で映画監督デビューした音楽家半野喜弘氏インタビュー 《前編》

2016.11.16

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パリのカフェでの運命の出会いから生まれた映画

半野喜弘の初監督作で、青木崇高の長編単独初主演映画。『雨にゆれる女』は、14年前の運命的な出会いから生まれました。

「今となっては必然としか言いようがないですね。パリのカフェでバックパッカーだった青木と出会って意気投合したんです。彼はまだプロになる前で、1人でヨーロッパを放浪していました。面白いやつだったんですよ、豪快で。たまたま3、4年前に再会すると、キャリアを経て立派な俳優になっていました。俺ら2人で何かやろう、やるんだったらぬるいことはやめようと話したんです」

盛り上がっていたところに映画製作の話が舞い込みます。打診を受け、半野監督は、条件を提示しました。青木崇高の主演でなければやらないというのです。

「それが通ってしまったんですよ。すぐに青木に電話すると、どんな話なんですか、と聞かれました。これから考えると言って、そこから脚本を書き出したんですよ。何も決まっていないのに、青木もわかりました、事務所に言っときます、と(笑)。だから、完全にアテ書きですね」

青木が演じる男は、誰とも交わらずに孤独な暮らしをしている。飯田健次と名乗っているが、隠された過去があるようだ。人との関わりを避けていた彼の生活に、変化が訪れる。工場の同僚が突然家にやってきて、強引に女を預けていった。理美という名の彼女も、正体が知れない。2人は互いに惹かれ合っていくが、彼らは哀しい運命で結ばれていた――。

『るろうに剣心』で見せた豪快さや『ちかえもん』でのコミカルな演技とはかけ離れたイメージを見せます。理美を演じる大野いとも、『あまちゃん』でのGMTメンバー役からは想像もつかない大人の女になりきりました。

「誰も見たことのない青木崇高、誰も見たことのない大野いとでなければつまらない。内容が重くても娯楽なので、オモロイほうがいいというのはあって、だったらこれは、この2人はイケると」

 

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