年末年始に観たい映画 5選 【笑える編】

2016.12.27

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“時間のある年末年始だから観たい日本映画”をシリーズでお届け

クリスマスも過ぎ、年末年始のお休みももうすぐそこ。久しぶりにまとまった時間が取れる方も多いのではないでしょうか。『プレミアムジャパン』では、そんなときだからこそじっくり堪能したい、のちの作品に大きな影響を与えた“プレミアムな”日本映画を、3回連続でご紹介します。

第1回目は、【笑える編】。映画評論家の森直人さんがおすすめする5作品とは?

■『転校生』


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2016年、メガヒットしたアニメーション映画『君の名は。』の最大の元ネタとして、この『転校生』を知った若い世代も多いのではないか。

神社の階段で共に転げ落ちてから、男の子と女の子の身体が入れ替わる……思春期のエッチな好奇心も含めて、ものすごくキャッチーな妄想的設定。それが“他者”との相互理解のきっかけとして働き、奇想天外な珍騒動が甘酸っぱい青春のイニシエーション(通議儀礼)となる。

原作は山中恒の小説『おれがあいつであいつがおれで』だが、主人公は小学6年生の設定。それが映画では中学3年生となり、男女観や感受性の質が決定的に変わった。恋愛の初動、初恋の手触りが生々しく絡むものになったのだ。

そしてW主演の尾美としのりと小林聡美の「男女交換」演技が最高に素晴らしかった。見た目はごく普通の中学生ながら、中身は異性というギャップの面白さ、会話の妙がいろんな表情の笑いを生む。

以降、大林宣彦監督は「尾道三部作」として『時をかける少女』『さびしんぼう』と抒情豊かな傑作を連射するが、喜劇という観点では『転校生』が圧倒的に最高作だろう。アメリカ映画でいえば80年代のジョン・ヒューズ作品などに相当する、日本版ティーンムービーのスタンダード。

文化的背景としては、あだち充の『みゆき』など漫画を中心とした当時のラブコメブームとリンクしているとも言える。1982年度キネマ旬報ベスト・テン第3位。

『転校生』(1982年)
監督:大林宣彦
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