「プレミアムな日本映画」 vol.3

年末年始に観たい映画 5選 【泣ける編】

2016.12.29

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“時間のある年末年始だから観たい日本映画”をシリーズでお届け

年末年始のお休みは始まりましたか?久しぶりにまとまった時間が取れる方も多いのではないでしょうか。『プレミアムジャパン』では、そんなときだからこそじっくり堪能したい、のちの作品に大きな影響を与えた“プレミアムな”日本映画を、3回連続でご紹介します。

【笑える編】【ドキドキ編】と続き、最終回は、【泣ける編】。映画ライターの牧口じゅんさんがおすすめする5作品とは?

■『蒲田行進曲』

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映画の撮影所を舞台に、そこに生きる俳優たちの人間模様を描いた人情活劇です。

大スターで華がある“銀ちゃん”こと倉岡銀四朗(風間杜夫)は、映画『新撰組』の撮影で、土方歳三を演じています。撮影には、彼を慕う大部屋俳優の“ヤス”こと村岡安二郎(平田満)も脇役で参加していました。

気ままでろくでなしの銀ちゃんは、ある日、恋人の小夏(松坂慶子)を連れてヤスのアパートを訪れ、こう言います。「将来を考えて、事務所が身辺整理をしろと言うんだ。それなのに、小夏は妊娠4か月。頼む、俺のためにこいつと一緒になってくれ」。元映画女優だった憧れの小夏を前に、銀ちゃんのため、そして小夏への恋心を胸に、ヤスは結婚を承諾するのです。

プライドのかけらもない彼に八つ当たりする小夏でしたが、身体を気遣い、自分と生まれてくる子供のために、危険な役をいくつも掛け持ちするヤスの優しさにほだされ始める小夏。そんな折、『新撰組』のクライマックスでありながら、命をも危険にさらす“池田屋の階段落ち”をヤスが請け負うことに。それは出演場面を減らされ落ち込む銀ちゃんのため、そして小夏とのより安定した生活のためでした。

劇中劇のみならず、本作の大団円でもある階段落ちのシーンは、顔も映らない脇役に命を賭けるヤスの俳優魂、ヤスの覚悟に応えようとする銀ちゃんのプロ根性、ヤスの身を案じる小夏の愛情が絡み合い、涙なしには観られません。公開当時の1982年はハリウッド全盛期でしたが、普段は邦画を観ない若年層にまで“泣ける”と話題が広がり、大ヒットを記録しました。

『蒲田行進曲』(1982年)
監督:深作欣二
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