小さな力で大きなエネルギーを生む仕組みをつくる建築家、 teco(金野千恵+アリソン理恵)(後編)

2017.02.15

rd1700_MG_8190「プレミアムジャパン・アートプロジェクト」の若手建築家の連載インタビュー。teco(金野千恵+アリソン理恵)の2回目では、建築を通じて都市やコミュニティと関わる彼女たちの姿勢や建築家を志したきっかけなどについて話してもらった。

大学の同期だったふたりが建築家を志した理由

ふたりは東京工業大学の建築学科の同期生で、学生時代からの友人でもある。自己名義で作品を発表する建築家としてのスタートは金野のほうが少し早いが、アリソン理恵は東工大の坂本一成研究室に所属し、多くの建築プロジェクトに関わってきた。

「高校までは文系でしたが、人や建物、歴史や文化などがダイナミックに交わる、都市のしくみに興味があり、東工大の社会工学科に行きたいと思いました。それで思い切って理系に転向して受験しました。

大学で友人たちと日々議論を重ねる中で『建築って面白そうだな』と感じ始めました。ある時、坂本一成先生の『代田の町家』を見に行き、その空間の力強さに衝撃を受けました。絶対に坂本先生のところで勉強すると決意し、博士課程まで行きました。そこで学んだ、言葉と建築が相互に関係しあいながらつくられていく、具体的な空間や概念への興味が、建築を続けていく原動力になっていると思います」

rd1700_MG_8074アリソン理恵は建築との出会いをこう語った。いっぽう金野は子供の頃からものを作ったり、絵を描くのが好きで、中学生でヨーロッパに行って日本とはまったく違う街のつくりに触れ、都市計画に興味を持ったことが原点という。その後、高校生のときに『建築の20世紀 終わりから始まりへ』展(東京現代美術館、1998年)という展覧会を訪れ、はっきりと建築家の仕事に憧れを抱いたという。

「いちばん印象に残っているのはロシア構成主義やイタリアの未来派の建築で、『建築家はこんなにかっこいいものがつくれるんだ!』と思いました。大学ではアトリエ・ワンの塚本由晴先生の研究室で学びました。世界の窓のリサーチや住宅設計、展覧会計画、都市計画など幅広くプロジェクトに携わりましたが、その学びの中で得た、たとえ小さくてもひとつぶの建築が街に現れることの意味や、その可能性が創造的に広がっているという感覚を大事にしたいです。」

 

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