特集:『The Wonder 500™』第5回「磯右ヱ門SAVON」

2015.11.17

 

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お母さんの香りの懐かしい石鹸

いま市販されている石鹸のほとんどには植物性の油脂が使われています。しかし、今回ご紹介するこの「磯右ヱ門SAVON」は、人の肌に近いと言われる牛脂を使って製造されているのが特徴です。

こちらの石鹸は、昔ながらの製法にこだわり、国産牛脂を材料に、大釜でゆっくり化学反応させ、丁寧に作られていきます。その香りは、どこか昔懐かしい、お母さんの香りを思わせる石鹸との評判。

ちなみに「磯右ヱ門SAVON」の発売元は、横浜の魅力を伝えるデザイン・グッズやオリジナルフーズを扱う株式会社エクスポート。同社は、日本の開国以降、外国文化の玄関口となった港町・横浜の魅力を、その製品を通して伝え続けています。

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資料を元に明治時代のデザインを復刻

昔ながらの製法だけでなく、パッケージにもこだわりが感じられます。横浜は国産石鹸製造の発祥の地。その国産初の石鹸が、明治初期に堤石鹸製造所が手がけた堤磯右ヱ門石鹸だったのです。明治23年に堤石鹸製造所は操業を停止しますが、子孫が所蔵していた石鹸ラベルを元にデザインを復刻させ、この「磯右ヱ門SAVON」のパッケージとなりました。また、石鹸の表面に刻まれたレリーフも、横浜開港資料館に当時の金型が残されていたため、再現が可能となったのです。

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日本ならではの緻密なレリーフ

堤磯右ヱ門石鹸の発売当時、石鹸が貴重だったためか、またレリーフの緻密な美しさに使用をためらってか、多く消費活動が生まれず、堤石鹸製造所は衰退していったと伝えられています。本来消耗品であるはずなのに、デザインが優れていたばかりに起きてしまった不幸な結末です。

モノが豊かになった現代だからこそ、復刻した「磯右ヱ門SAVON」のような、パッケージまで美しく、使っても肌に優しい石鹸が望まれるのかもしれません。

The Wonder 500™ 認定は、このように過去の優れた意匠にまで与えられているのです。

 

株式会社エクスポート
http://www.xport.jp

 

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