海外からも注目されている日本の伝統文化「香道」とは?

2017.04.02

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茶道や華道、日本舞踊など、和のお稽古事はさまざま。その1つに、日本人が長きにわたって愛してきた「香り」を楽しむ「香道」というものがあります。今回は、香道の歴史やお作法など、香道に関する基本的な知識をご紹介。日本ならではの伝統文化・香道の世界をのぞいてみましょう。

上記イメージの画像出典:Sig. / DSC_7436 (from Flickr, CC BY 2.0)

◆「香道」の歴史

香木を焚き、香りを楽しむ香道は、鎌倉時代から室町時代にかけて誕生しました。現代でも続いている流派「御家流」と「志野流」ができたのもこの頃のこと。御家流は香りや雰囲気を楽しむ貴族や公家の流派、志野流は精神鍛錬を目的とする武家の流派です。

江戸時代に入ると、貴族や武家だけではなく町人の間にも香道が広まっていきます。多くの優れた香道具が誕生し、香を楽しむための作法がほぼ完成。香道は教養や楽しみとして人々の間に浸透します。しかし、明治時代には文明開化のあおりを受け、人気が低迷。そのまま衰退してしまうかと思いきや、一部の人がしっかりと受け継いで守っていてくれたおかげで、現代では日本が誇る伝統文化として海外からも注目されています。

◆香を聞く「聞香」

香道では香木の香りを嗅ぐことを「聞く」と表現します。香木を品質によって「伽羅(きゃら)」、「羅国(らこく)」、「真那加(まなか)」、「真南蛮(まなばん)」、「寸聞多羅(すもたら)」、「佐曽羅(さそら)」の6つに分類した「六国」と、辛・甘・酸・鹹(※塩からい)・苦の5つの味で香りの相違を知る「五味」が香道の基本。

香炉に炭団(たどん)を埋めて火を起こし、銀葉と呼ばれる薄い板の上に香木をのせ、香りを鑑賞するのが聞香(もんこう、ききこう、ぶんこう)。香炉を左手の上に水平にのせ、右手で軽く覆って親指と人差し指の間から3回聞き、終わったら一礼して次の人へ回します。お作法を守ることも大切ですが、一番大事なのは香そのものを楽しむこと。聞香は気持ちを穏やかにするようで、体験した人からは「心をリラックスさせ、香りを自分の内側に取り込めました」「心を傾けて香りを聞き、ゆっくり味わえました」という声が上がっています。

◆香りを聞き当てる「組香」

「組香(くみこう)」とは数種類の香を聞き、その香りが何なのかを当てる遊び。有名な組香の1つ「源氏香」では、5種類の香木をそれぞれ5包ずつ計25包作り、その中から5包を取り出して聞きます。香の異同を聞き分けて書く「香図」の種類は52通り。源氏物語の「桐壺」と「夢の浮橋」を除いた巻名がそれぞれつけられています。「香を聞きながら源氏物語を思うのが楽しい」「源氏香を楽しみつつ、紫の上の気持ちを妄想…」という声が上がっているように、源氏香は源氏物語に思いを馳せるのも楽しみの1つ。体験者の多くは、「難しいけど楽しい」と感じる人が多いようです。

源氏香以外でも「七夕香」「三景香」など、組香にはたくさんの種類があります。御家流も志野流も、東京や大阪、名古屋など各地でお教室や講習会を行っているので、興味を持った人は香を楽しみに出かけましょう。

 

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