カルチャー

2016年秋公開のアニメ映画「この世界の片隅に」

2015.12.28


クラウドファンディングによって支持された昭和20年の呉の物語

『この世界の片隅に』は、第13回メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代氏の同名マンガを原作にしたアニメ映画です。監督を務めるのは、『マイマイ新子と千年の魔法』(第14回文化庁メディア芸術祭 優秀賞受賞)や『アリーテ姫』など、繊細かつ丁寧な作風でアニメファン・映画ファンに注目されている片渕須直氏。

入念な作り込みがされている本作は、クラウドファンディングによって制作資金の一部を集めました。この映画を観たい! という多くのファンの熱意により、3374人もの人々から3622万4000円という記録的な支援を獲得したのです。それを受けて正式に製作が決定され、2016年秋の公開に向けて現在作られています。

戦火に巻き込まれていく昭和20年の広島・呉市。そこで生きる女性・すずが、激動の時代の中でどのように日々を暮らしたのか――。『この世界の片隅に』では、かつてあった当たり前の日常、そしてその日常に訪れた、昭和20年の夏が描かれます。


普段アニメや映画を見ない人にこそ見てほしい緻密な描写とストーリー

『この世界の片隅に』の前に片渕監督が手がけた『マイマイ新子と千年の魔法』は、全国のシネコンにて公開されるも興業的に振るわず、上映が先細りになってしまった作品でした。しかし、物語の舞台となる昭和30年代の山口県・防府市を徹底的なロケハンにて描いた本作は、味わい深いストーリーが評価されて徐々に口コミで人気を獲得。シネコンでの上映終了後も、ラピュタ阿佐ヶ谷など各地の映画館で根強いファンに支えられて上映を続け、アニメファンのみならず、幅広い年代の方に親しまれる作品となりました。

その『マイマイ新子と千年の魔法』公開から6年。片渕監督は、当時の呉を知る方々にアニメーターの描いた街並みを実際に見てもらい、事実関係を確認して細かい修正を重ねながら制作しています。それは昭和20年の呉の街並み――昭和20年の現実だった世界――を創り込む作業なのです。

その世界で描かれる物語が見たい! 『マイマイ新子と千年の魔法』のようなアニメ映画が作られるのを応援したい! 作品はもちろん、作品が作られる過程から応援したいと思った人々の想いが、クラウドファンディングという形で実ったことで、来年の公開に向けて新たなスタートを切りだすことができた本作。作り手と、その作品を応援するたくさんの人々の手によって紡がれるアニメ映画『この世界の片隅に』に、ぜひご注目ください。

 

■あらすじ
広島市江波で生まれたすずは、18歳となった昭和19年に呉市へと引っ越して一家の主婦となる。戦時下でものがなくなっていく中、すずは日々の食卓を工夫してやりくりしていた。しだいに戦争は進み、日本海軍の根拠地であった呉は空襲され、いつも眺めていた軍艦も炎に包まれる。日々の営みが戦火に浸食されてもなお、日々を暮らすすずだったが、時は昭和20年の夏をむかえて……。

 

この世界の片隅に
原作:こうの史代
脚本・監督:片渕須直
アニメーション制作:MAPPA
プロデュース:GENCO
2016年秋公開予定
http://www.konosekai.jp/
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 

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