法師温泉 長寿館:「プレミアム温泉」vol.34 石井宏子

2016.04.16

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ぷくりぷくりと時を数える千年湯

しばし見とれてしまうほど美しい「法師乃湯」は登録有形文化財。荘厳な湯屋を支える太い一本柱の梁とロマンチックなアーチ型の窓からの光、まさに日本の温泉の芸術ともいうべきこの湯殿は、今から120年前に建てられました。

法師川の川底から湧出する温泉は1,200年前からこの場所で利用されていたと言われています。一世紀を超えてこんこんと湧きつづける透明の美しい温泉は、今もこの湯船の底から自然湧出しています。夜は女性専用時間があるので、わたしはいつも泊まってゆっくり満喫。温泉に入ってじっとしていると、足元の玉砂利の間からぷくぷくと湧き上がる源泉が湯面を揺らしていくのがわかります。4つの湯船は自然湧出ゆえに微妙に温度が違います。ぬるめの場所で丸太に頭をのせてじっくり長湯。やわらかい肌あたりなのに、やはり千年湯は力強い。いつのまにかすっかり体中の血が巡って、こっていた背中も首も軽やかに感じます。最後は少し熱めの場所へ移動してぐっと温まって仕上げです。

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