グルメ

銀座ほんじん 渋谷店:「食の王道」vol.20 広川道助

2016.03.31

rd850_1
居酒屋不毛の地「渋谷」で
桜を愛でながら、九州の肴と酒を楽しむ

渋谷というのは不思議な街で、あんなに乗降客が多いのに、夜にリーズナブルに会食を楽しもうと思うと、いい塩梅の店がほとんどありません。

駅周辺にあるのは、だいたい若い人(と、年金生活者)向けの大型居酒屋で、飲み放題で安くあげるにはいいですが、満足感は味わいにくい。デパートや商業ビル、ホテルにはそれなりの料理店は入っていますが、「その手の店を選ぶのはちょっとなあ」と私は思ってしまうもので(笑)。

以前は東急文化会館裏に天ぷら「天松」があり、カウンターで飲みながら、軽く天ぷらをつまむのがよろしく、重宝していましたが、周辺の再開発で閉店してしまいました。昔の三業地である円山町まで歩けば、風情のある店はいくつかありますが、渋谷から道玄坂を上がっていくのはちょいとつらい。

もちろん、あまたある雑居ビルのなかには、ネットにも紹介されず、常連がひっそりと愛でている店が隠れていることでしょう。ただ、そういうところはこうしたページでご紹介しても、店に溶け込むまでかなり時間がかかる場合が多いだろうと思われます。

そういう意味で、はじめてでも、誰を連れていっても、味においても満足でき、そして財布にも優しく、安心して足を向けられるのが九州料理「銀座ほんじん」渋谷店です。飲食店の支店というものを、私はあまり信用しないのですが、こちらは料理構成も調理も銀座本店と同じではないそうで、現実には独立店のようなものです。

次ページへ

Area