学校蔵:「気になる日本酒」 vol.23 あおい有紀

2016.04.12

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桜もほころぶなか新年度を迎え、新入学や新入社など、周囲でも新たな門出を迎えた方がいらっしゃることでしょう。今回は、同じように新学期を迎えた「学校蔵」の取り組みに迫ります。

新潟港から佐渡汽船のジェットフォイルで1時間ちょっと、佐渡ヶ島には5つの日本酒蔵がありますが、そのうちのひとつ、尾畑酒造は1892年創業、「真野鶴」という銘柄で知られています。

5代にあたる尾畑留美子専務は、次女として生まれ、慶応大学法学部卒業後、日本ヘラルド映画に入社。『氷の微笑』『レオン』などの映画宣伝プロデューサーとして活躍し、そのときに出版社に務める平島健さん(現尾畑酒造社長 51歳)と出会い結婚。帰郷します。映画業界でやりがいのある仕事に就いていたため、当初は地元に戻るつもりはなかったものの、29歳の時、親の病気をきっかけに、「人生最後の日に何をしたい?」と考え、「仕込み蔵で真野鶴を飲みたいなぁ」と思ったことから、戻ることを決意しました。 

 

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尾畑留美子専務は、「夫は、私が“これをしたい”と思ったことを、順序立てて道筋をつけて考えられる人。私が直感的で感情的なタイプだとしたら、彼は論理的かつ理性的とも言えます。迷った時にこれ以上頼りになる人はいません」と。ベストパートナーとして、互いに真野鶴のブランドを守りながらも、様々なチャレンジを形へと繋げています。

真野鶴のモットーは、米、水、人、そして佐渡、四つの宝の和をもって醸す“四宝和醸”。佐渡の米の味わい、佐渡の空気の柔らかさを表現する淡麗な酒造りを目指し、佐渡山脈の伏流水(軟水)を使っています。岩手出身の工藤賢也杜氏(44)含む7名の造り手により、現在1200石を造っていますが、全国新酒鑑評会では2001年以降10回金賞受賞、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)ではゴールドメダルを3回受賞するという快挙を成し遂げています。

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