銀座 KIMPAI TOKYO:「食の王道」vol.22 広川道助

2016.04.14

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喰い切り割烹のエスプリを感じる、東銀座「KIMPAI TOKYO」の試み

人生も後半期になると、若い人の成長を見るのが楽しくなってきます。

料理の世界も同じで、若いころは自分と同年代の職人を見つけて伴走することで喜びを得ましたが、独立する料理人のほとんどが年下の今は、彼らの新しい試みをサポートしたくなっています。

東銀座に出来たばかりの「KIMPAI TOKYO」もそうで、大阪で居酒屋「大衆酒場 金杯」を経営していた大坪聡明さんが銀座で一旗揚げようと、家族で上京し、1月に開いたばかりの割烹です。

彼との出会いはFacebook。突然、友達リクエストをいただいたのがきっかけですが、どんな人だろうと思ってタイムラインや彼の大阪時代の仕事を見ていたら、俄然興味が湧いてきました。

「大衆酒場」と銘打っているのですが、刺身やおでんに混じってケジャンやデミグラス丼、〆は四川麻婆豆腐が名物とあり、大将が楽しんで料理を作っている雰囲気が、写真からうかがわれたのです。

上京してからの奮闘ぶりや、家族の生活もFacebookに上げているのですが、それも微笑ましい。まだ会ったこともないうちから、彼の料理を早く食べてみたいとわくわくしてきました。

東京の店は、大阪の大衆酒場とはうってかわり、8席のカウンターを中心に奥に4人の個室がある割烹スタイル。日本料理を軸とした、大坪さんの個性的な料理に日本酒を合わせるという試みです。

予約のやりとりで、以前写真に上がっていたブイヤベースが美味しそうだったと書いたら、わざわざ仕込んでおいてくれました。さらには「いいワタリガニが入ったから」といって、カウンターの目の前で捌いて、炭火で焼いて出してくれたのです。

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