蓬莱泉 摩訶:「気になる日本酒」 vol.25 あおい有紀

2016.04.26

 

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150年続く歴史のなかでも、胸をはれる至極の1本

新年度となり、4月は何かとお祝い事が多いですよね。そんなハレの日にぜひ頂きたい日本酒のひとつが、関谷醸造のなかで最高峰の「蓬莱泉 摩訶」。創業150年の節目に、今の関谷醸造を表すフラグシップとなる酒を造りたいと生まれた、究極の一本です。

rd850_2愛知県北設楽郡、仏法僧で有名な鳳来寺山の程近く、まさに奥三河に位置する関谷醸造は、元治元年(1864年)創業。「蓬莱泉」を主な銘柄として、和醸良酒を合言葉に、基本に忠実に、手抜きをせず、高品質の酒造りをしています。

柔らかくまろやかな口当たりで、綺麗な熟成を伴う飲み飽きしない味わいが特徴。なかでも純米大吟醸の「吟」や「空」はそう簡単には手に入らず、贈答用のお酒としても喜ばれています。生産量は4500石ながら、そのうちの約90%が愛知県で消費されており、まさに地元に愛され続けている地酒とも言えますね。

その関谷醸造を、伝統を守りながらもより磨きをかけ、革新的な方向へと導いているのが、関谷健社長(44)。東京農業大学醸造学部卒業後、3年ほど酒問屋などで働いた後、1997年に蔵に入り、2010年より社長を務めています。

本社蔵、そして吟醸工房の2箇所で酒造りは行われていますが、両蔵ともに綺麗に掃除され清潔感に溢れている印象を受けました。最新式の機械を導入しながらも、人の手が必要なところはしっかりと、本社蔵の荒川貴信杜氏、吟醸工房の柳田邦芳杜氏、両蔵の総杜氏である遠山久男氏それぞれに、全身全霊で研ぎすまされた感性と経験を酒造りへと注いでいます。

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