サントリー・ジャパン・プレミアム・塩尻マスカット・ベーリーAミズナラ樽熟成2012:「いますぐ飲みたい日本ワイン」 Vol. 27 柳 忠之

2016.04.27

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樽熟成の効果とフレーバーの変化

古代ギリシアやローマ時代、ワインの輸送にはアンフォラと呼ばれる素焼きの甕が使われていました。それが木樽に変わるのは紀元5世紀以降のようです。

木樽は今でもワインを入れる容器として使われています。ただし、昔のようにワインの輸送が目的ではありません。ワインの輸送ならボトルのほうがよほど簡単です。では、何の目的で木樽にワインを詰めるのでしょう?

それはワインの熟成のため。赤ワインを木樽に入れておくと、自然にワインが蒸発して香り成分が凝縮され、木目を通して入り込んだ酸素がワインのタンニンを和らげる一方、樽材のもっているバニラの香りや、樽材をたわめるために焼き焦がした際のスモーキーな香りがワインに与えられます。

バニラやチョコレート、それにスモーキーなニュアンスの樽香は、ワインに着き過ぎれば嫌みですが、適度ならば心地よく感じられます。ワインの熟成に使われる木樽の材料は、一般的に樫の木。その樫の木も、フランス産、アメリカ産、スロベニア産、ロシア産などさまざまです。ところが本日ご紹介のワインは樫ではなくミズナラ。いったいどんな効果がワインにもたらされるのでしょうか?

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