グルメ

百姓庵の「塩屋米」:「お米が主役」vol.28 柏木智帆

2016.05.17

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にがりで育てた無農薬米 海と棚田をまるっと食べるお米

山口県長門市の向津具(むかつく)半島の先端にある油谷島は、エメラルドグリーンに光る海に囲まれながらも、傾斜地を利用した棚田が広がる「里山」「里海」。人と自然とが共存して景観が保たれてきました。

この棚田と海から生まれた「塩屋米」は、15年前に移住してきた井上雄然さん・かみさん夫婦が生産・販売している個性溢れるお米です。もっちりとした食感で粘りの強い品種「ミルキークイーン」をベースに、赤米、黒米、緑米、香米、インディカ米をブレンド。田んぼの土に海のにがりを入れることで、ミネラル豊富なお米に育つそうです。

収穫したお米はすべて食べてしまわず、一部の種籾を翌年のタネとして確保。そうして命を繋ぎ続けてきました。そんな夫婦の暮らしと油谷島の気候風土とともに歴史を重ねてきたお米は、農薬も化学肥料も一切使っていません。

瓶詰めにした塩屋米には、雄然さんが油谷湾の海水でつくった塩が添えられています。炊いたごはんにかけたり塩むすびにしたりするためかと思いきや、なんと「お米にこの塩を入れて、普通の水加減で炊くのです」と、かみさん。炊きあがったごはんは、黒米の色素が出てうっすらピンク色。香米が入っていることで、香ばしい香りが漂います。

そして、炊飯前に入れる塩によって、お米の旨みと香りがより豊かに。海に囲まれた棚田という環境を丸ごといただくお米です。

 

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