木戸泉 純米AFS(アフス)生酒:「気になる日本酒」 vol.28 あおい有紀

2016.05.17

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東京から身近な場所で行きやすい、千葉県が誇る老舗蔵

全国各地に銘酒どころは沢山ありますが、関東も例外ではありません。以前、千葉にも美味しい日本酒があることを知っていただきたく、酒蔵ツアーを企画していましたが、その時にお世話になった酒蔵のひとつが、千葉県いすみ市の大原漁港近くにある「木戸泉酒造」。

蔵の入り口に飾られている直径約2メートルの巨大な杉玉が目印です。年に一度、新酒が出来上がる時に全国の木戸泉ファンの皆さんが蔵に集まり、この新しい杉玉を手作りする会も開催されています。

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創業は1879年(明治12年)。四代当主の荘司文雄社長のもとで現在酒造りの現場を取り仕切るのは、5人兄弟の長男、第五代の荘司勇人専務(40)です。東京農業大学を卒業した後、酒販店で修行をし、2001年より木戸泉酒造で酒造りに携わっています。2013年からは杜氏として、「旨き良き酒」造りをモットーに、邁進しています。


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木戸泉の特徴のひとつは、自然農法産米を100%使用した純米酒を造っていること。「添加物や農薬、化学肥料を一切使用しない日本酒を造りたい」という三代目の荘司勇氏の強い想いから、1967年より自然農法で作った米で純米酒の製造も始めました。

また、精米は高くても60%まで。

「農家さんが丹精込めて日本酒のためにと作ってくださった米ですし、あまり削らずに大切に使い、酒にしたいんです」

原料である米と真摯に向き合うところから酒造りが始まる、その姿勢が荘司専務のふとした一言から伝わってきました。

現在、全体の約半分が千葉県産の米(総の舞、五百万石、ふさこがねなど)を使っているとのこと。米本来の特徴を引き出して、コクがあり、味わいに幅と深みを持たせた木戸泉の純米酒は、お燗酒で楽しむのもお薦めですよ。

 

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