ルバイヤートワイン プティ・ヴェルドー北畑収穫2012

2015.10.06

ルバイヤート・プティ・ヴェルド

 

ブレンドのアクセントとして栽培したら

あれはいつのことだったでしょうか? ほんの思いつきで石和温泉へ出かけ、せっかくなのでと勝沼のワイナリーを回ることにしました。その時、立ち寄ったルバイヤートワインで、現社長の大村春夫さんが、「柳くん、こんなの出来たんだよ」と、嬉々とした表情で試飲させてくださったワインが、「プティ・ヴェルドー北畑収穫」の初ヴィンテージとなる、96年だったのです。

プティ・ヴェルドーはボルドーで栽培されているブドウ品種。ただし、ピンでも通用するカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローとは違い、あくまでブレンドのアクセントとして使用される、いわば脇役にすぎません。「田舎くさい」とか「粗野」といった表現を使うフランス人もいるほど。ただこの品種が少量加わることにより、ワインの味わいに奥行きが生まれるんですね。大村さんも当初は、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドに使おうと考え、苗を植え付けてみたのだそうです。

その一方、ボルドーのとある醸造家は、「プティ・ヴェルドーが粗野とか言われるのは、よい場所に植えていないせい」と言います。つまりこの品種に最適な場所で育てれば、ピン芸人として成功するのかも?

初ヴィンテージから16年、悲願の日本一に

プティ・ヴェルドーはカベルネ・ソーヴィニヨンよりも晩熟なブドウ品種。そのため、十分な日照と気温が必要です。どうやら勝沼の真夏の暑さがこの品種に合っていたようなんですね。初収穫にもかかわらず、あまりの質の高さに驚いた大村さんは、96年のプティ・ヴェルドーをブレンドには使わず、単独で瓶詰めしました。それは驚くばかりの集中力を備えた赤ワインで、当時最高値の「1万2000円で売りましょう」と、私は大村さんにすすめたほどでした。

あれからヴィンテージにして16年目、ルバイヤートワインのプティ・ヴェルドー2012は、とうとう日本ワインの頂点に! 今年の日本ワインコンクールで金賞、ならびに欧州系赤品種の部門最高賞を受賞したのです。

このワインは凝縮感に富み、豊かな果実味を備えつつも緻密なタンニンが骨格を作っています。アフターフレーバーのスパイシーさはまさにプティ・ヴェルドー。この品種単体のワインは世界中を探しても稀なこと。ひょっとすると、日本独自のキャラクターをもったワインとして、世界に打ち出せるかもしれません。

6,048円/丸藤葡萄酒工業▲0553-44-0043