戸越のおむすび屋「お米や」:「お米が主役」 vol.36 柏木智帆

2016.07.12

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戸越の商店街で味わう 海苔が香る「ふうわり」おむすび

戸越銀座からほど近い「戸越宮前商店街」を歩くと、「お米や」と書かれた看板が目に入ってきます。商店街に昔からあった建物なのだと一目でわかる佇まいですが、どこか新しさを感じさせるシンプルで小さなお店。極限まで壁を取り払った店は、開放的で、通りと一体化した空間です。

軒先に下がる涼しげなすだれと風鈴の奥では、女性スタッフがせっせとおむすびをつくっていました。

「お米や」は、常時8種類ほどのおむすびを販売するおむすび屋。

軒先に入ると、厨房から、ふわりと海苔のいい香りが漂います。これが、お米やのおむすびの特徴の一つ。「こんとび」と呼ばれる、青のりを混ぜた海苔を使っています。おむすびの包みを開けると、ごはんを包んだ海苔の香り高さに、食欲が刺激されます。

もちろん、お米も絶妙の味と食感。おむすびを口に入れると、程よい粘りがありながらも、口の中で米粒がほろほろとほぐれていきます。おむすびにかぶりつく幸せを味わってもらおうと、サイズは少し大きめ。ふうわりと握られているため、食べ応えはあっても重たすぎず、軽やかに食べられるおむすびです。使っているのは、新潟県南魚沼市でつくられたコシヒカリの白米。品種改良を施した一般的なコシヒカリではなく、従来品種のコシヒカリのため、甘みが強いのが特徴です。

そして、その甘さを引き立てているのは、スタッフたちで食べ比べて選び抜いた、長崎県産の塩。にがりの味が濃すぎず甘みのある塩が絶妙な加減で米肌になじみ、ひとくち食べると、もうひとくち食べたくなる。そんな魅惑のおむすびです。

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