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錦鯉?世界のデザイン賞を総なめにした日本酒:「メイドインジャパン見つけた」vol.25 渡辺ゆり子

2016.07.24

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もしもこの連載コラムを読んでくださっていたら、私がお酒を買う時にまずは見た目、つまり「ジャケ買い」をしている事をご存知の方もいらっしゃると思います(笑)
今回もそう!しかも今迄で一番衝撃的なデザインです。

恵比寿にある新潟のお米と日本酒が楽しめる店「上越やすだ」に伺った時に出会いました。
あまりにも大胆すぎるデザイン、しかもリアル、日本酒にこんなデザインがあるなんて、驚くばかり。

デザイナーの発想の素晴らしさはもちろん、酒造という古い伝統を守る保守的な傾向にある仕事のかたが、大胆にもこのデザインを了承したこと。いつか実際にお会いしてそのいきさつを聞いてみたい程です。

創業1767年、新潟の老舗酒蔵「今代司酒造」が2015年5月1日(鯉の日)に発表した日本酒が「錦鯉 NISHIKIGOI」。デザインは、グラフィックデザイナーの小玉文(コダマアヤ)さん。世界中の名だたるデザイン賞を総なめにしています。

売り出した年2015年には、「Design for Asia Awards」を受賞。そして2016年にはデザイン界のオスカーと言われる「iF DESIGN AWARD 」、イタリア最大のデザインコンペテイション「A’Design Award」では、最高賞のプラチナ賞を受賞。

錦鯉と日本酒が一緒に世界に認められたなんて、嬉しいですよね。

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ボトルそのものだけを見ると白地に赤い模様のに見えますが、よく見るとその形状は鯉の姿を現していて、それを紙箱に入れた途端にくっきりと浮かび上がる錦鯉。箱は錦鯉の形に窓がくり抜かれています。しかもその姿は池を悠々と泳いでいるかのようです。

どうして日本酒に錦鯉と思いませんか。

かつて、日本酒が樽で出荷されていた頃、たくさんの量のお酒を売る為に酒蔵は水で薄めて出荷していたそうなのです。

金魚が泳げる程水で薄められた酒、という揶揄を込めて、「金魚酒」と呼ばれていました。ところが、今代司酒造は、お酒を薄める事も無く出荷していたので酒屋さんから喜ばれ、金魚酒ならず、威風堂々たる錦鯉といわれていたそうです。

そんなことから、今代司酒造はかねてより「錦鯉」という銘柄の発売を検討していました。古くから新潟は錦鯉の養殖が盛んな土地ということもあり、万を期しての発表だったのです。

そしてこの錦鯉は、いわゆる大吟醸とか、純米酒とかとスペックもあえて未公開としています。その理由は、頭で飲む人が増えてしまった現代へのアンチテーゼ。自分の舌で味わって欲しいという願いが込められています。拍手ですね。

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 「生きた宝石」として今や海外でも人気の高まる観賞魚である錦鯉は、更に日本酒という誇るべきメイドインジャパンを通して世界中に魅力発信中です。入手困難ですが、7月19日から発売が再開されました。

夏のご贈答にもぴったりです。お急ぎください。

この原稿が出た時にまだ在庫があることをお祈りします。

■お問い合わせ
今代司酒造(イマヨツカサシュゾウ)
新潟県新潟市中央区鏡が岡1番1号
TEL:025-245-3231
FAX:025-245-3233

営業時間:9時から17時 年末年始を除く年中無休

http://www.imayotsukasa.com/SHOP/ngoi.html

 

取材・文/渡辺ゆり子

【渡辺ゆり子の〈メイドインジャパン見つけた〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/yuriko-watanabe/

 

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《プロフィール》

渡辺ゆり子

食空間のトータル・コーディネーター。その範囲は、テーブルコーディネートからフラワーアレンジメント、インテリアデザインに及ぶ。フランス開催のアートフローラル国際コンクールで日本人初の優勝。
シュバリエ ド シャンパーニュ 叙勲。

「LEON」にて「オヤジのトキメキダイニング」を2002年より連載、同誌最長の14年目に突入。
2016年10月末に新刊『小さな家を素敵に変えるアイデア』(講談社)が発売。

 

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