「KAMPAI!純米吟醸」<後編>:「気になる日本酒」 vol.35 あおい有紀

2016.08.02

 

南部美人として新たなチャレンジの一本

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(C)2015 WAGAMAMA MEDIA LLC.

先週の<前編>に続き、ご紹介するのは、現在公開中の映画『KAMPAI! 世界が恋する日本酒』の劇場公開記念酒です。岩手県産のぎんおとめを麹米40%、掛米55%まで磨き、木桶で仕込んだ、アルコール度数15度の原酒ですが、南部美人としては、初めての試みとなる協会6号酵母を使用。映画にも登場する、恵比寿「GEM by moto」の店主千葉麻里絵さんとのコラボで造ることとなり、どんな日本酒にしたいかイメージを共有し合う過程で、情熱の塊のような久慈社長が、さらにその上を行く千葉さんの熱意に脱帽だったとか。

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(C)2015 WAGAMAMA MEDIA LLC.

蔵元がやるように、酒米、精米歩合、酵母、種麹、木桶仕込みの速醸、温度経過など、千葉さんが徹底的に選択し設計したとのこと。田村製造部長と毎日のように電話やメールで連絡を取り、品温の管理なども確認し合いながら進めていきました。協会6号酵母の使用も千葉さんたっての希望で実現しましたが、実際に造りの現場では、初めて扱う酵母だけに、発酵の温度や搾るタイミングなどが難しく、試行錯誤を繰り返しながらの完成となりました。

出来上がったお酒を飲んだ久慈社長は「6号酵母らしい穏やかな香りと優しい味わいで、ジューシーかつ切れの良い穏やかな酒に仕上がったのではないでしょうか。アルコール度数15度台の原酒というハードルもクリアし、バランスの良さが出ているように思います。次の造りでも、6号酵母で木桶仕込みの日本酒を造ろうかな」と、6号酵母の可能性を見出したよう。 

千葉さんも、「今回南部美人さんと一緒に企画を進めるにあたり、清潔感のある綺麗な筋が通った酸で、ぎんおとめの少しふくよかな甘味に、輪郭をつけたいなと思いました。もともと美人な岩手の女の子を、化粧して更に綺麗に輝かせるようなイメージになるよう設計しましたが、結果、予想通りの、品のある一歩引いた透明感のあるお酒に仕上がったと思います」と、太鼓判! 南部美人にとって新たなチャレンジのきっかけにもなった、この「KAMPAI!純米吟醸」、千葉さんのお店でも提供されていますし、ぜひ飲んでいただきたい一本です。

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