グルメ

都農ワイン・シャルドネ・アンフィルタード2015 :「いますぐ飲みたい日本ワイン」 vol. 40 柳 忠之

2016.08.03

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六年前の記憶が蘇った! 目からウロコのシャルドネ

やはりここのシャルドネはすごいな・・・と、久しぶりに口にし、あらためて思いました。宮崎県の都農ワインが造る「シャルドネ・アンフィルタード」です。

どうも日本ワインの愛飲家の中には判官贔屓というか、あばたもえくぼというか、線の細い、いわばシャバシャバしたワインを「日本らしい繊細さ」ととらえがちな人が少なくありません。もちろんそれとは反対に、アルコールが高く、マッスルでボリュームの豊かなワインが高品質なのか……といえば、決してそうではないのも事実です。

ただ気候的に恵まれてるとはいえない日本では、ブドウを完熟させることもままならず、10年ほど前までは、インパクトに欠けるシャルドネが大半を占めていました。

このワインを初めて味わったのは今から6年前のこと。その時の感動はセカンドインパクト級。日本でもこれほど果実味の凝縮感があり、芳醇でリッチなシャルドネが造れるようになったのか……。まさに目からウロコの出来事でした。

台風に打ち勝ち、リッチで芳醇なスタイルを実現

残念ながら、私はまだこのワイナリーを訪ねたことがありませんが、同業の家内が昨年取材しました。彼女の書いた記事によれと、ワイナリーがある宮崎県の都農町は、決してブドウ栽培に恵まれた土地ではないようです。

なんといっても最大の敵は台風。年に2600ミリ以上の雨が降ります。台風の直撃でせっかく実ったブドウが被害に遭ったり、湿気と高い気温により病気が発生するリスクも高いようです。

しかし、都農ワインの人たちは独自の技術でこれらの問題を克服。コンクールでもたびたび上位入賞のワインを造っています。

シャルドネ・アンフィルタードの「アンフィルタード」は無濾過という意味。ワインの成分を少しも削ぎ落とすことなく瓶詰めされています。パイナップルやピーチなどトロピカルなフレーバー。オークの風味は果実の中にすっかり溶け込み、ほんのりローストしたアーモンドのニュアンスが感じられます。酸味はまろやかで、口当たりはクリーミー。宮崎のフェニックスが目に浮かぶ、南国風味のシャルドネに仕上がっています。

ブルゴーニュのシャルドネよりカリフォルニアのシャルドネが好みな方に、ぜひ、このワインをおすすめしたいと思います。

3085円(税込)/都農ワイン http://www.tsunowine.com

取材・文/柳 忠之

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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