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WAKAZEプロデュース飲み比べセット:「気になる日本酒」 vol.03 あおい有紀

2015.10.16

 

初心者にこそ飲んでほしい、ベンチャー日本酒

WAKAZE

 

若者の視点から日本酒文化に風を吹き込み、日本酒を世界に誇れる文化として育て上げていきたい。そんな熱い想いで結成された、チーム「WAKAZE」とは!?

”酒屋若勢”という若い蔵人を意味する言葉からきていますが、日本酒に「若くて新しい価値」を生みたい、また日本酒を「和の風」として海外に送り込んでいきたいという想いを込め、プロジェクトがスタート。今年はじめてWAKAZEプロデュースの日本酒が誕生しました。

初期メンバーは、元外資系のコンサルティング会社勤務で、代表の稲川琢磨さんをはじめ、実家が群馬県の聖酒造にある蔵人、プロのデザイナー、消費財メーカー勤務、外資系コンサル勤務の20代を中心とした5名で結成。「まずファーストステップで何か面白い企画を日本酒でやろう」と、飲み比べセットのクラウドファンディングでの開発プロジェクトが始まりました。

wakazeメンバー

「消費者のニーズを起点にした商品をつくること」にこだわり、何度もユーザーへのテイスティングやインタビューを行うことで、分かりやすいデザイン、且つ女性などにも好印象のラベルに仕上げることなど、何度も議論を重ねてようやく完成。

甘×泡、甘×香、甘×爽、辛×香、辛×爽、と5種類それぞれの味わいを色分けし、分かりやすく表現しているので、興味あるテイストから試していけます。日本酒を飲みなれない方や外国人の方にも楽しんでもらいたい、というコンセプトながら、全て原酒でアルコール度数が17度ほどあるのは意外でしたが、甘味、旨味のボリュームを感じながらも酸味とのバランスがよく、余韻がスッと切れていくのでとても飲みやすく、一口、もう一口、と杯が進みます。日本酒本来の美味しさを知ってもらいたい、その心意気がストレートに伝わってくるお酒です。

これからも毎年形を変えながらプロジェクトを進めていきたいとのこと。今期27BYの造りでは、「洋食レストラン向けの、洋食とのマリアージュを意識した1本」を考えており、第一弾に引き続き「日本酒の可能性を広げるコンセプトのお酒」を打ち出していく予定です。

 

フランスへの輸出に向けて

「WAKAZE」は世界に発信すべき日本の素晴らしい製品やサービスを輸出、促進する、経産省の“MORE THAN PROJECT”にも参画し、メンバーはWAKAZEブランドや聖酒造のお酒を輸出することを目的に、既に市場調査とPRで2回パリを訪れています。市場調査の際には消費者や流通業者などの顧客、日本酒のエキスパートにテイスティングをしてもらい、そのフィードバックをベースにして、ラベルやテイストなどをフランス輸出向けにカスタマイズ中。

先日は、パリで開催された、有田焼の展示会イベントで乾杯酒としてWAKAZEが輸出に携わる聖酒造の日本酒が選ばれ、フレンチのシェフや現地のメディアの方との繋がりも広がりました。10月末にはパリでのSalon du sakeという日本酒専門の見本市イベントに出展し、2月までのプロジェクト期間で、まずはフランスを基盤にしっかりと市場を開拓したいと考えているそうです。

また、代表の稲川琢磨さんはコンサルティング会社を卒業して10月末にWAKAZEを起業し、年明けの法人化に向け、新たなWAKAZEブランド商品の開発やセレクト日本酒の輸出事業に専念し、活動を加速化させるとのことです。

wakazeフランス

フランスでの日本酒造りも視野に

そして、数年後までにフランスでの日本酒の現地製造を実現させたい、と意気込むWAKAZEメンバー。現状、ヨーロッパでの日本酒は輸送費が高いため、日本での小売価格の3~4倍の値段で販売されています。主にそれがボトルネックとなり、日本酒の持つポテンシャルが存分に発揮できていない、結果市場の広がりが限定されている現状もあります。そこで現地生産することで、より手に取りやすい価格で、現地のニーズに合わせ、将来的には水や米などフランスのテロワールを活かした、フレッシュなお酒を提供したい。実現に向け、すでに設備調達や、土壌の状況などの情報を収集するなど、着々と準備を進めています。

「現地生産を実現することで、フランスやヨーロッパで、より日本酒が親しまれるようになり、引いては欧州市場が広がった際には、国内需要の縮小に苦しむ日本の酒蔵が、欧州に販売を拡大する一助も担えればと願っています」WAKAZEの若いパワーでどんな旋風を世界に巻き起こしてくれるのか、これからの展開が楽しみです。

 

文/ あおい有紀

【あおい有紀の〈気になる日本酒〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/yuki-aoi/

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 あおい有紀

フリーアナウンサー・和酒コーディネーター

テレビ、ラジオなど各媒体で活躍する一方、日本の食や和酒の魅力発信を積極的に行い、大切さ、楽しみ方を伝えている。フィールドワークを信条とし、全国の酒蔵に200回以上足を運ぶ。酒蔵ツアーや日本文化×日本酒のコラボイベント、様々な国籍の料理×日本酒のマリアージュイベントなどの企画・主催をはじめ、各地での講演、セミナー講師多数。ル・コルドン・ブルー日本酒講師。観光庁「平成25年度 官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」にて、目利き役。女性向け日本酒本「日本酒日和」(舵社)監修。日本酒造青年協議会「酒サムライ」叙任。 

【資格】きき酒師、焼酎きき酒師、WSET(International Higher Certificate in Wines and Spirits)、一級フードアナリスト、日本箸教育講師など

 

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