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日本独自の「藻塩」特集2:「本日もいい塩梅」vol.17 青山志穂

2016.09.02

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古くからの藻塩の名産地・広島の「海人の藻塩」

「海人の藻塩」が生産されている広島県呉市蒲刈町で、藻塩作りの痕跡が発見されたのは1984年のこと。そこから「藻塩の会」が発足し、今や藻塩作りのカリスマとなった松浦氏を筆頭に、古代の藻塩作りの研究が行われました。幾年もの研究を経て、万葉集に詠まれた「朝凪に玉藻かりつつ夕凪に藻塩焼きつつ」という歌をヒントに、玉藻=ホンダワラを使った藻塩づくりにたどり着き、「海人の藻塩」が誕生することとなりました。

この藻塩は、乾燥させて塩が付着したホンダワラを利用して濃縮海水を得る方法で製造されています。藻塩の中では色が薄いほうで、海藻の香りがほのかに感じられます。控えめで繊細な風味なので、魚介以外の食材とも合いやすく、味のバランスがいい塩です。和食全般におすすめ。

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海藻の風味香る「玉藻塩」

景勝地としても名高い新潟県の笹川流れ沿いに位置する製塩所で、目の前の海から獲れる玉藻(ホンダワラ)を使用して生み出される藻塩です。収穫したホンダワラを干して乾燥させたのち、平釜の中で海水と一緒にコトコトと煮込んでいきます。かけ流すだけよりも海藻のエキスがより多く海水中に溶け出すため、色はやや濃いめの茶色で、パッケージを開けるとふわりと磯の香りがあがってくるので、ホンダワラの風味をしっかりと感じることができます。

少し大きめの粒で、しっかりとしたしょっぱさと、強めのうまみがあり、最後にほのかな苦味を感じます。基本的に魚介類との相性がいいお塩ですが、お米との相性も抜群で、この塩だけで塩おにぎりにしても十分なうまみを感じられます。

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藻塩だけど純白「塩竈の藻塩」

前回の記事でもご紹介した「藻塩焼き神事」が行われる御釜神社のある宮城県塩竈市。その地名からもわかる通り、この一帯では縄文時代から塩作りが盛んに行われてきました。

震災により一度は途絶えた塩作り再度復活させたのが、合同会社顔晴れ(がんばれ)塩竈のみなさんでした。

ホンダワラにかけ流して濃縮海水を作り、それを約11時間炊き、火を止めて1晩静かに寝かせています。この時に自然の条件によって大きくできた結晶は先に掬い取り、別の商品に。このあとさらに1日かけて煮詰めたものが、この「塩竈の藻塩」です。

藻塩にしては珍しく純白で、一見すると普通の海水塩との違いは判りませんが、食べてみると一目瞭然。強くはありませんが、海藻の風味が残っています。まろやかなしょっぱさとほのかな甘味があり、白身魚の刺身のつけ塩等におすすめです。

今回は、「ホンダワラ(玉藻)」を使った藻塩をご紹介しました。次回はまた違った藻塩をご紹介します。お楽しみに。

■お問い合わせ
蒲刈物産株式会社
「海人の藻塩」
価格:100g 500円(税抜)
電話:0823-70-7021
http://www.moshio.co.jp/index.php

有限会社日本海企画
「玉藻塩」
価格:150g 550円(税抜)
電話:0254-77-3009
http://www.isosio.com/
お問い合わせ先電話番号:0254-77-3009

合同会社顔晴れ塩竈
「塩竈の藻塩」
価格:50g 550円(税抜)
電話:022-367-6539
http://mosio.co.jp/

※商品パッケージと価格が変更になっている可能性があります

取材・文/青山志穂

【青山志穂の〈本日もいい塩梅〉】一覧記事はこちら
 http://www.premium-j.jp/aoyama_shiho//

rd300_mg_7507《プロフィール》

青山志穂

一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会 代表理事・ソルトコーディネーター

東京都出身、沖縄県在住。大学卒業後、大手食品メーカーで商品開発等を担当。2007年に沖縄県に移住後、塩に魅せられて塩の道へ。塩の専門店で社内資格制度の構築や人材教育、商品開発を行ったのち、2012年に(社)日本ソルトコーディネーター協会を設立して独立。現在は、塩のプロフェッショナルであるソルトコーディネーターの養成講座のほか、全国を飛び回りながら、塩に関する講演をはじめ、テレビやラジオ、雑誌などへの出演、塩売場のコーディネートなどを行っている。著書に「塩図鑑」(東京書籍)や「琉球塩手帖」(ボーダーインク)など。
公式サイト : http://saltcoordinator.jp 公式ブログ : http://blog.saltlabo.com

 

 

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