グルメ

【東京 銀座】鮨 鈴木:「食の王道」vol.45 広川道助

2016.09.22

修業店とマグロも酢飯も変えた 
「鮨 鈴木」の決意のこもった握り

rd850_1よく言われる話ですが、料理には著作権がありません。だから、いい料理はすぐに真似され、他の料理店にも並びます。

しかも最近はSNSが発達していますから、コピーされるスピードはかつての比じゃないでしょう。

たとえばフランス料理の前菜としてスタンダードな「赤ピーマンのムース」はパリの三つ星「ランブロワジー」のベルナール・パコーシェフがオリジナルですが、瞬く間に世界中にコピー料理が出回りました。

もっともこれ自体、やはり有名な三つ星「ヴィヴァロワ」の「赤ピーマンのヴァヴァロワ」の発展系といわれていますから、なにが本当のオリジナルなのかはわかりません。

車海老の寿司を茹でたてで出すのは「すきやばし次郎」が最初だと、小野二郎さんがおっしゃっているのを本で読んだことがありますが、小野さんが始めたという時期より前に半蔵門の寿司屋で食べたことがあります。

新店が出来たときも、メニューやスペシャリテをみれば、なんとなくどこで修業したのかはわかるものです。

師匠のやりかたをずっと学んできたんだから当たり前だし、なにごともまずは模倣から入るのは常識です。

銀座の「鮨 鈴木」は、訪れる前から、鈴木孝尚さんが「銀座 青木」で長い間修業し、西麻布店では支店長を務めていたことを情報として知っていました。だから、青木さんの寿司と似たスタイルなんだろうと、漠然と思っていました。

rd850_2つまみから始まるのは最近の寿司屋の流れですが、鈴木さんはまず、鰹を切り付けて出しました。そのかたちをみて「やはり、青木さんのスタイルと似ているな」と感じました。口に入れると、脂が乗り過ぎず、さわやかな鉄分も感じ、おいしい鰹でした。

 

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