高橋葡萄園ツヴァイゲルトレーベ2015 :「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol. 43 柳 忠之

2016.09.14

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オーストリア生まれの赤ワイン用品種

オーストリアにツヴァイゲルトと呼ばれる赤ワイン用のブドウ品種があります。そもそもオーストリアワイン自体、日本ではマイナーな存在なので、彼の国でワインが造られていることさえご存知ない方も多いことでしょう。ましてドイツとイメージが重なるオーストリア、赤ワインと聞いてもピンと来ないかもしれません。

この品種は自然に生まれたものではなく、1922年、サン・ローラン(ファッションブランドではないですよ)とブラウフレンキッシュを掛け合わせて生み出された交配品種です。生みの親、フランツ・ツヴァイゲルトの姓を取り、ツヴァイゲルトと名付けられました。

ツヴァイゲルトから造られたワインは、若飲み用の気軽なタイプから、オーク樽で熟成させ、ボディがありタンニンもしっかりした、長期熟成の可能なものまでじつにさまざまです。

じつはこの品種、日本でもおもに北海道で栽培されています。ただし、日本での呼び名はツヴァイゲルトレーベ。レーベとはドイツ語でブドウの木を指すそうで、wikipediaで調べたところ、この品種が作付け面積第3位を誇るチェコでは、日本と同様、ツヴァイゲルトレーベと呼んでるそうです。

昨年、念願のワイナリーが完成した岩手の注目株

北海道で造られたツヴァイゲルトレーベはいくつか試したことがありますが、本日ご紹介させていただくツヴァイゲルトレーベは、岩手県花巻市にある高橋葡萄園のワインです。

まだ訪ねたことがないので、詳しいことは存知あげないのですが、園主の高橋喜和さんは同じ花巻市の大迫町にあるエーデルワインや、盛岡市の南にある紫波町の自園自醸ワイン紫波でワイン造りに携わっていらっしゃいました。オーストリアに留学し、クロスターノイブルグのワイン学校でワイン造りを学んだ経験もあるそうです。

大迫町はオーストリアのベルンドルフ市と1965年に姉妹都市協定を結んでいますから、ツヴァイゲルトといい、クロスターノイブルグといい、オーストリアとのつながりが深いのはそういった理由からでしょう。

高橋さんがブドウ園を開墾したのは1996年。リースリング・リオン、ミュラー・トゥルガウ、ツヴァイゲルトの3品種が植えられています。2012年から委託醸造の形でワインを造られていましたが、昨年、念願のワイナリーが完成。この2015年のツヴァイゲルトレーベは、自園栽培、自家醸造の初ヴィンテージのようですね。

色は照りのあるルビー色。薄すぎず、濃すぎず、ほどよい色調。グラスを回すとよく熟した赤いベリー、ラズベリーやスグリ、チェリーのフレーバーが心地よく広がり、口に含めば、豊かで柔らかな果実味が感じられます。タンニンは穏やかで、バランスのよい酸味。ちょっとスパイシーな余韻がアクセント。東北のワイン産地というと山形が真っ先に思いつきますが、岩手も頑張ってますね。

 

2550円(税込)/高橋葡萄園 
http://weinbautakahashi.com/

 

取材・文/柳 忠之

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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