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食べる温泉?温泉からできる塩:「本日もいい塩梅」vol.22 青山志穂

2016.10.07

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温泉水から作られる希少な塩

岩塩や塩湖などの塩資源がないため、海水からの製塩に頼らざるを得なかった日本。でも、海に面していない内陸地では、海水から製塩を行うことができません。そこで生み出されたのが、地下から湧きだす塩水からできる塩でした。

海にまだ近いところでは地中に染みこんだ海水の影響を受けたり、海から遠いところでは、海水を取りこんだまま化石となった石の影響を受けたりして、地下から食塩を含んだ塩水が湧いてくるのです。

含まれる塩分濃度はさまざまですが、ごく一部を除いて、海水の塩分濃度3.4%よりも薄い場合が多く、製塩効率が悪いため、あまり盛んには行われていませんが、かつて地域を支えた温泉塩づくりは、まだ日本随所で見ることができます。今回は、温泉からできる塩をご紹介します。

rd850_Sio22- 2生産量は年間たったの1トン!熊本県芦北町の“岬の御塩”

美しいリアス式海岸が続く景勝地・熊本県立自然公園の中に位置する御立岬には、地下1000mの源泉から湧き出る地下塩水を活用した温泉があります。源泉かけ流しのこの温泉は、ナトリウム、カルシウムを中心とした塩化物泉で、慢性皮膚病や筋肉痛、血管拡張作用やきりきずに効果があるとされています。海辺にあり、雄大な海を臨める天然温泉として、人気を博しています。

その温泉センターに併設される形で、塩づくりを行う「塩(えん)むすび館」があります。今からおよそ3年程前、かつてこの地で行われていた温泉水を活用した塩づくりが復活し、試行錯誤を繰り返しながら現在の形になりました。

 

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