グルメ

十口万(とろまん):「気になる日本酒」vol.42 あおい有紀

2016.10.12

20161012

夢とロマンを求めて…地元産の米を使い四段仕込みで独自の味わいを

玉虫色のラベルが目を引く、「十ロ万(とろまん)」。秋限定のひやおろしとして、9月中旬に発売となりました。福島県南会津郡南会津町にある花泉酒造では、現在、地元で親しまれている「花泉」、そして特約店で限定流通している「ロ万」の2ブランドを造っています。ロ万シリーズは、一ロ万(新酒)、七ロ万(夏酒)、十ロ万(ひやおろし)など、ネーミングを変えて、新酒から熟成を経て随時出荷されるものもあります。今年8月、酒蔵に伺う機会があり、星誠社長(40歳)にご案内頂きました。

rd850_2山々に囲まれたとてものどかな人里に酒蔵はあり、仕込み水は裏山にある、水源の森百選にも選ばれている超軟水の名水「高清水」が使われています。大正9年、南会醸造株式会社として創業し、当時は「富田正宗」「伊南川」といった銘柄でしたが、昭和24年に「花泉」に変更、平成元年には、蔵名も花泉酒造合名会社に改名し、現在に至ります。

「花泉の普通酒は1990年代、福島県内でプレミアムがつくほどの人気で、なかなか手に入らない、幻のお酒だったんですよ。ほんと、すごかったんですから!」と、同じ福島県内の蔵元、寫楽を醸す宮森社長に聞いたことがありました。

星社長は南会津の出身ですが、花泉酒造の家系に生まれた訳ではなく、18歳から車の整備の仕事に就きます。ただ、チャンスがあれば地元の酒蔵である花泉酒造で働きたい、という想いを持ち続けていたところ、4年目に酒蔵から声がかかり、整備の仕事を辞めて蔵に入ることになりました。

 

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