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アルカンヴィーニュ・シャルドネ2015:「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol. 46 柳 忠之

2016.10.19

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ブドウ栽培の新規就農者が急増する長野県東御市エリア

世は日本ワインブームです。ほんの10年前だったら、日本国内にこれほどの新規ワイナリーが立ち上がることなど考えられませんでした。

新規ワイナリーの多くはブドウの栽培からワイン造りまで一貫して生産を行うドメーヌ志向。山梨を中心としたかつてのワイン産業では、ブドウは栽培農家、ワインはワイナリーという分業が原則でしたから、その点だけをとっても大きな変わりようです。

そして今、熱い地域が長野県の東御市。千曲川ワインバレーに属するこのエリアには、都会での生活に見切りをつけ、自然の中での生活を求めて訪れる新規就農者が急増中。農地のほとんどが標高500メートルの高地ですが、近年の温暖化でシャルドネやメルローなど、欧州系ブドウ品種の栽培に最適な条件。東御市とその周辺には20軒を超える新規就農者がワイン醸造用のブドウ栽培に取り組んでいるそうです。

しかしながらブドウがうまくいっても、ワイン造りはまた大変。除梗破砕機や圧搾機、醸造用のタンクなど、設備を揃えるには大きな資金が必要になります。近隣のワイナリーに醸造をお願いする委託生産という方法もありますが、それが可能なワイナリーのキャパシティにも限界が…。そんな中、設立されたのがアルカンヴィーニュというワイナリーです。

初ヴィンテージのシャルドネは果実味と酸味のバランスよし

アルカンヴィーニュはヴィラデストワイナリーのオーナーで、エッセイストの玉村豊男さんが旗振りをして誕生しました。

新規就農者や地域の農家が栽培したブドウやリンゴを醸造し、ワインやシードルを生産。それと同時に「千曲川ワインアカデミー」を開講し、新規就農者にブドウ栽培のノウハウを教えたり、ワイナリーの起業についてアドバイスを行うそうです。

そのアルカンヴィーニュから初めてリリースされたワインのひとつが、今回ご紹介する「シャルドネ2015」。長野県産のシャルドネを100%使い、ステンレスタンクで発酵。そのままシュール・リー状態で6ヶ月熟成させたワインです。

醸造の指揮をとられたのはヴィラデストの小西超さんですから、品質のたしかさはお墨付き。洋梨にグレープフルーツのゼスト。白い花のハチミツもほんのりと感じられます。果実味と酸味のバランスがとれ、シンプルながら心地よい味わい。フランスワインと比べるなら、上質のマコンといい勝負です。

アルカンヴィーニュ、これから目が離せないワイナリーですね。

 
2370円(税込)/アルカンヴィーニュ
 
 

取材・文/柳 忠之

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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