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「純米大吟醸 浩和蔵仕込」:「気になる日本酒」vol.43 あおい有紀

2016.10.27

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次なるステージへ 新たな時代を切り拓く銘酒八海山

八海山。皆様もよく馴染みのある銘柄ではないでしょうか。日本のみならず、海外でも日本酒に携わる方は誰もが知る八海山。現在は3代当主の南雲二郎社長(56)のもと、33000石を有する生産量ですが、1980年代半ばの新潟清酒ブームで一躍有名となった八海山ブランドに甘んじることなく、更なる成長に向けて果敢なチャレンジをし続けています。先日、八海醸造が開発した日本酒専用グラス、“Sakemust(サケマスト)”のお披露目会があり参加させて頂き、南雲社長にもじっくりお話を伺いました。

rd850_2日本酒業界では、数百年の歴史ある蔵元が多いですが、その中では八海醸造は意外にも100年経っておらず、新潟県南魚沼市に1922年(大正11年)創業。2代目の南雲和雄氏が昭和35年に蔵を受け継いだ時は300石の生産量でしたが、50年ほどの間に100倍の3万石まで生産量を伸ばした、急成長蔵でもあります。

「日本酒は、基本日常的に消費するもの。これまで飲んでくれている人が繰り返し飲み、かつ新たに気に入ってくれた方が繰り返し飲んでくれる、という連鎖がないと、会社の発展には繋がりません。知名度が上がることで手に入りづらくなり、飲むためではなく手に入れるのが目的となって、市場性がなくなることを避けるためにも、まずはいつでもどこでも安心して八海山が飲める、高品質のレギュラー酒としての役目を果たすべく、父の代に量産化をすすめました」と南雲社長。

淡麗の味わいで料理や会話の邪魔をせず、ずっと飲み続けることができ、冷やからお燗まで様々な温度帯にも対応できる日本酒として、爆発的にシェアを伸ばしました。

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そしてある程度の供給責任を果たすことができ、一つの目標が達成された時、新たな課題に直面します。消費者からは、どこでも安心して飲める品質の日本酒、という価値以外に、個性的な味わいのものや、滅多に手に入らないプレミアム感のある日本酒に価値を求める声も一方で出てきました。「それは当然のことで納得の流れでもありますし、その市場を放置する訳にはいきません。これまで市販できなかったような最高品質の日本酒を造り、世に問うてみるために、2014年に浩和蔵を新たに建設しました」と南雲社長。

八海醸造ではマイスター制度を作り、人材育成に力を入れています。筆記試験に加え酒造りの作業、日常の勤務態度などが考慮され、厳しい基準をクリアした一部の蔵人が浩和蔵で酒造りに携わることができるのです。スペシャルマイスターになれば、20年後の世界が全く違うものになるとのこと。浩和蔵で働くことを一つの目標としてチャレンジし、モチベーションを上げることで、商品開発だけでなく指導者の育成に繋がっていくといいます。

 

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