グルメ

【東京 新富町】味ひろ:「食の王道」vol.51 広川道助

2016.11.03

東京を代表する「京味」の料理とは何か
新富町「味ひろ」に行けばわかるかも

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いま、東京を代表する日本料理店を一軒だけ挙げてほしいといわれたら、新橋「京味」となるでしょう。

主人の西健一郎さんは、京都の「たん熊」で修業したのち、昭和40年半ばに開店。当時から、うまいものを少しずつ出す店として知られていましたが、近年特に名声を上げています。

しかし、お店は紹介制で常連客で常に満杯、その常連客も政財界の錚々たる方々で、一見にとってはかなりハードルが高い店なのが事実です。

そのいっぽう、ここ数年、京味から独立した料理人の店が増えてきました。東銀座「井雪」、銀座「小熊」、湯島「くろぎ」、新橋「新ばし星野」といった店がそうで、どこも京味での修業をもとに見事な料理を出し、繁盛店となっています。しかし、こちらも予約半年待ちはざらです。

料理は嗜好のものですから、京味が絶対的に一番美味しいと考える必要はないと私は思います。しかし京味的料理はどういうものか、いまの東京で食の世界に興味を持っているなら、一度は体験してみたほうがいいだろうとは、お節介ながら思います。

そんなとき、新たに京味にいた職人が独立しました。京味で16年間修業し、西さんの技術をしっかりと身に着けた郡司さんが新富町にこの夏、新しく出した「味ひろ」です。

カウンター6席のみの小さな店で、仕事のさまが、ほとんどすべて見えます。

 

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