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発泡性清酒 水芭蕉ピュア:「気になる日本酒」 vol.04 あおい有紀

2015.10.30

 

 MIZUBASHO PURE

群馬県・川場村の自然を表現した日本酒

「私にとって酒造りとは、川場村の自然、文化、歴史、人達の営みがぐっと凝縮されたもの。一番のコンセプトは、川場村の大自然をそのまま表現することなんです」と話すのは、群馬県利根郡川場村にある1886年創業の永井酒造第6代社長、永井則吉氏(43歳)。尾瀬を代表する花である「水芭蕉」、利根川源流の山である「谷川岳」をブランド名とし、1杯目より2杯、3杯と飲み続けられる綺麗な味わいを目指しています。

日本百名山のひとつ、山岳信仰としても歴史のある武尊連峰を臨む川場村ですが、酒蔵から車で5分ほどのところに仕込み水の水源があり、永井社長が案内してくれたことがあります。毎年造りが始まる前に、蔵人達は川に入水し自然の恵みに感謝、美味しい日本酒ができるよう祈願します。日本酒造りに欠かせない水を手ですくい一口含むと、とても柔らかく甘味を感じました。

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現在、川場村の米と山田錦を原料とする水芭蕉ブランドのうち、9割が特定名称酒となっており、今期27BYからはすべて吟醸以上(純米大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒)の造りとなります。2014年からは、新酒鑑評会も純米大吟醸で出品しており、永井酒造全体でも純米比率が75%と、純米造りにシフト。

そんななか、20年かけてたどり着いた永井酒造ブランドの頂点が「ナガイスタイル」です。スパークリング、食中酒、ビンテージ、デザート酒と4タイプに分け、飲み方や料理とのペアリングを含めたシチュエーションを提案しています。

天才料理人フェラン・アドリアも認めた、スパークリング清酒

ナガイスタイルのなかでも10年に及ぶ苦闘の末に誕生したのが、スパークリング清酒の「水芭蕉ピュア(MIZUBASHO PURE)」。現在、年間4万本を売り上げる人気のお酒です。シャンパンと同じ5.5気圧で瓶内二次発酵の透明なスパークリング清酒を作るのに、幾度となく失敗を繰り返し、途方に暮れた永井社長は意を決してシャンパーニュを訪れました。そこで、澱引きの方法にヒントを得て2008年、遂にこれまでになかった日本酒が完成します。

世界での評価も高く、あのエルブジのオーナーシェフ、フェラン・アドリアが水芭蕉ピュアを口にして、「世界中で初めての食感だった」と大絶賛。米の味がしっかりするスパークリングで、料理のイメージが掻き立てられたといいます。エルブジのお酒リストに即エントリーし、2カ月後には、このお酒に合う料理を5皿考えていたのだそう。

シャンパングラスに注ぐと、きめ細やかな泡が立ち上がり、りんごのようなフルーティーな香り、米の上品な旨味が膨らみ、余韻はスッキリと綺麗にまとまる、華やかな場にふさわしい一本。ワインクーラーに入れて、氷水でしっかり冷やして頂くのがおすすめです。

 

文/ あおい有紀

【あおい有紀の〈気になる日本酒〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/yuki-aoi/

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 あおい有紀

フリーアナウンサー・和酒コーディネーター

テレビ、ラジオなど各媒体で活躍する一方、日本の食や和酒の魅力発信を積極的に行い、大切さ、楽しみ方を伝えている。フィールドワークを信条とし、全国の酒蔵に200回以上足を運ぶ。酒蔵ツアーや日本文化×日本酒のコラボイベント、様々な国籍の料理×日本酒のマリアージュイベントなどの企画・主催をはじめ、各地での講演、セミナー講師多数。ル・コルドン・ブルー日本酒講師。観光庁「平成25年度 官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」にて、目利き役。女性向け日本酒本「日本酒日和」(舵社)監修。日本酒造青年協議会「酒サムライ」叙任。 

【資格】きき酒師、焼酎きき酒師、WSET(International Higher Certificate in Wines and Spirits)、一級フードアナリスト、日本箸教育講師など

 

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