グルメ

勝沼醸造アルガーノ・モンテ2015:「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol. 49 柳 忠之

2016.11.09

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甲州のスペシャリストが造る赤

勝沼にあるその名も「勝沼醸造」。1937年創業の老舗ワイナリーです。

90年代にはシャルドネをはじめとするヨーロッパ系品種のワイン造りに熱心な時期もありましたが、現在は地元勝沼特産の甲州に特化。甲州の醸造量では並ぶものがなく、まさに甲州の勝醸といった感があります。

ラインナップもスタンダードな「クラレーザ」、スパークリングの「ブリリャンテ」、オーク樽醸造した「ピッパ」などさまざま。単一畑の「イセハラ」は以前、ご紹介したことがありますね。

その勝沼醸造ですが、「じつはマスカット・ベーリーAの赤ワインもいいよ」と耳にしました。マスカット・ベーリーAは、このコラムでも何度かご紹介した日本固有のブドウ品種。越後高田の川上善兵衛が日本の自然環境でも育つよう、アメリカ系のベーリーと、ヨーロッパ系のマスカット・ハンブルグを交配して生みだした改良品種です。

そして手に入れたのが2015年の「アルガーノ・モンテ」。「アルガ(勝沼醸造の社長のお名前)の山」という意味です。このアルガーノ・シリーズには、「ヴェント(風)」「ボシケ(林)」「フォーゴ(火)」「モンテ(山)」があって、4つ並べると風林火山。なるほど、武田の旗印ですね。

酸味のきいた上品なスタイル

さて、噂の赤ワインはどうでしょう?

ブドウは甲府盆地の北西に位置する穂坂地区で収穫されたマスカット・ベーリーA。穂坂は昔からワイン醸造用のブドウ産地として有名なエリアです。その完熟したマスカット・ベーリーを発酵後、フレンチオークの樽で熟成させてあります。

色は透明感のある、紫がかったルビー色。鼻を近づけると、マスカット・ベーリーAらしいイチゴキャンディの香りがポンっと立ち上がり、その後にチェリーや赤スグリが続きます。口に含むと、爽やかな酸味がフレッシュ感を誘い、軽やかでチャーミングな果実味。キメ細かなタンニンが骨格を作っています。

派手さはありませんが、酸味をコアにして上品にまとめたところに好感がもてます。マスカット・ベーリーAのあの甘ったるい感じが苦手という人には、ぜひ一度試していただきたいですね。

2592円(税込)/勝沼醸造 http://www.katsunuma-winery.com/

 

取材・文/柳 忠之

 

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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