和菓子と「折形」の絶妙な関係―いせや本店の「三かく四かく」

2015.11.08

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攻めの姿勢で和菓子の伝統を守る4代目

日本の食文化として、その価値が再認識されている昨今の和菓子。さまざまなお店やアイテムが注目されていますが、静岡県沼津市で4代続く和菓子店「いせや本店」もそんなお店のひとつです。

4代目の居山哲也さんはまだ30代。先代の父親が急逝したため、社長として店を守っています。ただし、居山さんの場合は“守る”という表現はそぐわないかもしれません。

店を受け継いだ居山さんは、代表銘菓の「平作もなか」をはじめ、これまでの和菓子やお店の伝統を守りつつも、百貨店での販売やワークショップ、イベントへの参加、アパレル企業や現代作家とのコラボレーションなど、“攻め”の姿勢で店と和菓子を盛り上げていることでも注目されています。

 

伝統の包装・折形が和菓子に新たな息吹を吹き込む

そんな居山さんといせや本店が注目を集めたのが、日本伝統の包装・折形のプロダクトを手掛ける《折形デザイン研究所》とコラボレーションした和三盆干菓子「三かく四かく」。

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この和菓子は、三角形と四角形の面が接し合う立方八面体という不思議な形。紅白の色使いも相まって、見て楽しく、贈答品としても人気があります。

この「三かく四かく」が生まれたきっかけは、居山さんが東京・表参道駅に貼ってあったあるポスターに目を奪われたことに始まります。

「ポスター内の余白、空間、文字の置き方、とても美しく、姿勢を正されるような、私にとってはこれまでに経験したことがない衝撃でした」

と当時を振り返るほどのインパクトを受けたのが、折形デザイン研究所を主催する山口信博さんの手掛けたポスターでした。

そこで折形デザイン研究所のワークショップに参加した居山さん。折形の“折る”、“刃を入れてはならない”などの基本的な作法も含め、和菓子店にとっての“餡を包む”、“のし”、“折”という行為と、意味が通じるものだと考えたそうです。

そうして、折形デザイン研究所とのコラボレーションで生まれたのが「三かく四かく」でした。

非常に珍しい形をしているため

「立体であること、角があること、重なり合って一つの形状となること、それぞれが、作り手の立場として、大変難しい打ち出しになっております」

また

「壊れやすい点も含め、お客様のお手元でもろく崩れてしまわないように、干菓子を打ち出す職人の手、そして干菓子を包む和紙も大事なポイントとなっております」

という通り、味や触感だけでなく、手に取った感触や包装にも注目したいものです。

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和菓子の可能性を求めて――

このほかにも、陶芸家やアーティスト、ワークショップ開催などさまざまなジャンルを巻き込んで、いろいろな仕掛けをしている居山さん。この秋には地元・静岡県富士宮市の朝霧乳業とアイスモナカの共同開発しています。

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「もっと分かり易く、和菓子の魅力をお伝えするためにも、メーカーさま、デザイナーさまと共同で意味のある動き方も必要となってまいります」

「和菓子の大事なことを伝えていくために、和菓子を手に取っていただく機会を多く作ることも大事だと考えております」

和菓子の現状に危機感を覚えつつも、和菓子に秘められた新たな可能性やチャンスを探る日々の居山さん。これからも和菓子の知られざる魅力を引き出してくれるのではないでしょうか。

 

「三かく四かく」
5個入り 810円
10個入り 1620円(税込)
【参考】折形デザイン研究所 http://origata.com

「平作もなか」
9個入り 1588円(税込)

いせや本店
住所:静岡県沼津市幸町2番地
Tel:055-962-0222
営業時間:9:00~18:00
定休日:水曜
http://www.heisaku.com/