島之内フジマル醸造所 デラキング2014「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol.03 柳忠之

2015.10.31

デラキング2014rd

日本初の都市型ワイナリー、大阪ミナミで誕生

デラウェアの王様だから「デラキング」。デラウェア王国山形へのオマージュと、品質に対する絶対的な自信から、このワインを醸造した藤丸智史さんが命名しました。

レストランのソムリエを経て、ワインショップの経営者となった藤丸さんは、今から2年前、日本初の都市型ワイナリー「島之内フジマル醸造所」を大阪のど真ん中に開業。このワインも山形で収穫したブドウを大阪に持ち込み、醸造されたものです。

オープン直後に醸造所を訪ねましたが、倉庫ビルを改装した建物は2階が食堂になっていて、ガラス窓から階下の醸造施設が眺められます。ほのぼのとした手づくり感満載の施設で、とくに目を引くのが圧搾機。じつはこれ、藤丸さん自身が設計し、地元の鉄工所に特注で作らせたもの。外国製は高いうえに、メンテナンスの点で難があり、ワンオフの圧搾機製作にチャレンジしたそうです。

日本でもっともポピュラーなデラウエアを使用

さてこのワインのブドウ品種はデラウェア。日本でもっともポピュラーな、生食用ブドウです。「ヨーロッパでも、その土地に合ってる品種というのは、つまるところ一番育てやすい品種だと思います。デラウェアは日本各地で栽培されているのにまったく研究が進んでいないのはなぜでしょう」と、藤丸さんは訝ります。

私は個人的に、コンコードやナイアガラなどアメリカ原産のブドウ品種から造られたワインは、狐臭といわれる独特の香気が気になりあまり好みではありません。ところが、デラウェアは不思議とその狐臭が気にならないんです。調べてみたところ、デラウェアは祖先の中にワイン醸造に向いたヨーロッパ系品種の血を引くブドウが含まれているらしく、それが狐臭が抑えられている理由なのかも知れません。

「1年以内に飲み切ってしまう、フレッシュさが身上のワインなので」と、栓はコルクでもスクリューキャップでもなく、なんと王冠。香りは瑞々しい青リンゴやマスカット。すっきりとしたピュアな酸味に軽やかな果実感。アルコールは10パーセント程度と軽めで、食事の口切りに最高ですし、これからの季節なら水炊きなど鍋料理と合わせて、気取らず楽しめそうです。

藤丸さんは今年、都内の清澄白河にもフジマル醸造所を開業。今後、大阪の醸造所は自社管理のブドウに特化し、山形のブドウは東京での醸造となる予定だとか。清澄白川フジマル醸造所併設のレストランは、イタリア人シェフのつくるお料理も洗練されていて、連日満席の大人気。近いうちにそちらのワイナリーレポートもお届けしたいと思います。

1750円(税込み)/ワインショップFUJIMARU www.wineshopfujimaru.com/SHOP

取材・文/柳忠之

 

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