熊本ワイン 菊鹿シャルドネNV「いますぐ飲みたい日本ワイン」vol.04 柳忠之

2015.11.01

rd菊鹿

熟度が高く、酸の保たれたシャルドネを使用

九州は暑いし、台風の通り道だから、ワイン造りには向かないのではないか。

そんな風に思っていましたが、90年代から宮崎、熊本、大分、福岡とあちこちにワイナリーが生まれ、いつの間にやらコンクールでも上位入賞の常連になってました。とくにシャルドネで評価の高いワイナリーが多いようです。

この熊本ワインもそのひとつ。私が審査員を務めたコンクールで、このワイナリーの「菊鹿ナイトハーベスト小伏野」が、国産白ワインのトップに輝いたことがありました。もちろん、試飲は審査員にラベルを隠した状態で行われるのですが、正直なところ、「間違って1本、外国産のシャルドネが紛れ込んでるんじゃないか?」と訝るほど高品質なワインでした。

熊本ワインのシャルドネは、熊本市から北に30キロほど離れた菊鹿町の契約農家で栽培されています。古代の山城「鞠智城」で知られる菊鹿町。その山間にブドウ畑があり、夏の日中は35〜40度まで気温が上がるものの夜間は冷え、熟度が高く、酸の保たれたシャルドネを収穫することできます。年間降水量は2000ミリにも達しますが、小伏野のブドウ畑は土を小高く盛り上げた高畝式で、水はけをよくしているそうです。

 

大人気の「小伏野」や「五郎丸」の弟分

大人気のため「菊鹿ナイトハーベスト小伏野」や「菊鹿セレクション五郎丸」など、生産本数が限られたシャルドネは入手困難。発売とともに市場からなくなる幻のワインとなりつつあります。でもご心配はいりません。小伏野や五郎丸の弟分にあたる、スタンダードな「菊鹿シャルドネ」があるからです。

今年9月に発売された菊鹿シャルドネは、2014年のワインに、樽熟成を施した2013のワインをブレンドしたもの。したがって収穫年の表示がない、ノンヴィンテージになっています。

グラスに注いだ瞬間から、熟したリンゴやピーチ、パイナップルのフレーバーが立ち上り、口当たりも柔らかなトロピカルテイスト。さすがに小伏野や五郎丸ほどのリッチさ、複雑さにはおよびませんが、2000円代でこの品質なら、コストパフォーマンスは十分高いと言えるでしょう。白身魚のフライやチキンソテーが相性よさそうです。

2571円(税込み)/熊本ワイン www.kumamotowine.co.jp/

取材・文/柳忠之

 

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