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「気になる日本酒」vol.45

洞窟低温熟成 熟露枯(うろこ)大吟醸:日本酒キュレーター あおい有紀

2016.11.22

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大吟醸の熟成古酒を、時代に先駆け造り始めた島崎酒造

日本酒の味わいは、今や個性の幅がとても広がり、和食に限らず様々な国籍の料理にも合わせられるポテンシャルの高さを、ワインのソムリエも感じ始めているほど。なかでも特徴的な味わいなのが、熟成酒のジャンルです。

酒造会社や酒販店、飲食店などが長期熟成酒の研究や普及のためにと1985年に立ち上げた、長期熟成酒研究会が主催する試飲会には多くの若者も参加しており、関心の高さが伺えます。

熟成酒は保管される温度や状態など、環境によって色、香り、味わいもなど様々に変化しますが、氷温冷蔵庫だけでなく、雪室貯蔵、海中貯蔵、洞窟貯蔵など、電気を使わず自然界が生み出す環境にゆだねて熟成し、ストーリーとともに時の流れを感じながらいただく、という日本酒に触れる機会も増えてきました。

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その熟成酒に力を入れている酒蔵のひとつが、「東力士」を醸す、栃木県那須烏山市にある島崎酒造。1849年(嘉永2年)に初代島崎彦兵衛氏が創業し、2代目の島崎熊吉氏が烏山にある200年の歴史を持つ酒蔵庫を譲り受けます。

「東力士」は、熊吉氏が無類の相撲好きだったことから命名されたとか。現在の六代当主、島崎健一社長(47)は、東京農業大学醸造学科を卒業後、新潟の酒蔵で2年半勉強したのち蔵に戻り、現在も酒母を中心に出来る範囲で酒造りに携わっています。

 

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